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女王の教室のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

女王の教室(2005年製作のドラマ)
4.7
これは悪魔のような鬼教師と小学6年生の子供たちの戦いを描いた一年間の記録である。小学6年生になった神田和美(志田未来)は小学生最後の一年を楽しもうと張り切っていた。しかし、始業式当日和美の担任は「時間が無駄になる」という理由で出てこなかった。噂ではその担任は有名な「鬼教師」で、彼女が担任になってしまうと地獄のような一年間を過ごすことになると言う。そして教室にその鬼教師・阿久津真矢(天海祐希)が入ってきた。
テストの成績が悪い児童や真矢に楯突いた児童に「代表委員」と称して雑用係を務めさせるなど、冷酷に見えた真矢の真の狙いは教師が「壁」となり立ちはだかること。それを乗り越える努力をさせない限り子供達は真の「壁」を乗り越えるための判断力や解決する力を身につけることが出来ない。これに最初に気付いたのが和美であった。
生徒に対する過保護な傾向の教育や教師や親に対するアンチテーゼを込めた内容が議論を呼んだ傑作学園ドラマ。
テストの点でクラスでの待遇を決めたり、いじめに対しても自分の力で解決するようにエリート主義で弱肉強食の理論で接する阿久津真矢の教育は、一歩間違えればモラハラやパワハラに繋がるけど、生徒に対するフォローや性格を把握した丁寧なフォローが裏にある。
阿久津真矢の意図に気付いた生徒たちが逞しく成長していく展開が、心熱くなった。勉強に対する名言など阿久津真矢のセリフは、名言ばかり。
同調圧力が厳しい世の中だから、阿久津真矢のように本質を突く「いい加減目覚めなさい!」という「女王の教室」が、何度も見たくなる学園ドラマ。
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