綾

宇宙を駆けるよだかの綾のレビュー・感想・評価

宇宙を駆けるよだか(2018年製作のドラマ)
4.0
原作が良くて、Netflixでドラマ化と知ってから何年経ったやろう、やっと観られてよかった…!

永遠に答えのない問いが、物語として綺麗に纏められていてよかったなあ。世の中の不条理も、言葉にならない悔しさも怒りも、正しさも、綺麗事も、なにもかも、どの角度からの声も、拾ってくれて嬉しかった。
火賀くんやあゆみちゃんの、綺麗事を地で行く善良さが最後まで美点になり得たのは、海根さんが全部綺麗事だ!と叫んでくれたからだし、反対に、海根さんが最後まで「悪役」となり得なかったのは、火賀くんやあゆみちゃんの揺るぎない正しさがあったから。

いろんなことを思いすぎて、もう何も言えないけれど、外見と内面はやっぱり不可分だなあと思う。どんな綺麗事を以てしても、きっとそこは変わらない。余裕のある人の正しさは、ない人のそれより容易いのかもしれない。それでも、酷かもしれないけれど、与えられたもの(境遇含めて)をどう生きていくのか決めるのは自分自身だということも、きっと変わらない。最後にはどうしたってそこに行き着くのだと思う。

中身が入れ替わったお芝居、役者さんってすごいんだなあと改めて。
綾