EDDIE

宇宙を駆けるよだかのEDDIEのレビュー・感想・評価

宇宙を駆けるよだか(2018年製作のドラマ)
4.2
麗しさと醜悪さ。見た目が変わっても心が変わらなければ何も変わらない。
1人3役!?の入れ替わりファンタジーサスペンス。若手4人のなりきり演技が凄すぎる…!!
ってか朝からカップラーメンばっか食べてる母親ヤバすぎだろ。

Netflixにて目についたこちらの作品。
2018年にNetflixオリジナルドラマとして封切られていたんですね。知りませんでした。
主演はジャニーズWESTの神山智洋と重岡大毅、そして清原果耶、富田望生の4人。
私はもちろん清原果耶目当てで見たものの、これがいい意味で裏切られました。
もちろん清原果耶はとんでもない演技を披露します。
ただ全員が全員とんでもないんです。

富田望生は、本作では学校でも可愛くて人気者の清原果耶演じる小日向あゆみを逆恨みする自己肯定感低め女子の海根然子を演じます。
『ソロモンの偽証』の役作りのためにオーディション後に15キロ増量したという逸話がある通り、役作りにかける想いは凄まじいものがあるのでしょう。
この然子とあゆみが入れ替わってしまうのですが、マジで富田望生は清原果耶に見えるし、清原果耶は富田望生に見えます。
喋り方や仕草を完全に寄せてきていて、こいつらすげーなと。

さらに神山智洋と重岡大毅も凄まじかったです。神山智洋は初めて知ったのですが、重岡大毅は以前吉高由里子主演ドラマの『知らなくていいコト』でクソムカつく役をしていたのであまりいい印象がありませんでした。
ただ今回はそのイメージを払拭するぐらいのナイスガイ。しかも入れ替わった演技もあまりにも自然すぎて一気にイメージアップしました。

まぁね、この作品結構どぎついところ多いんですよ。然子は周りからバイ菌のような扱いをされ、平気で「ブス、ブス」言う連中ばかりなんですよ。
いくらドラマの役とはいえ、あそこまで自分の容姿を卑下されるのもダメージ半端ないだろうなと。

『人は見た目が9割』という本が出ている通り、第一印象ってやっぱ見た目なんですよね。私も人を「容姿で判断してないか」と聞かれると「してない」とハッキリは言えません。というかやっぱり見た目である程度決まってくるのは事実かなと。
だけど、そこからの自分の心の持ちようだったり接し方だったりもあるのかなとも思います。
綺麗事では片付けられないけど、対話してこそ分かり合える部分もあるし、「こいつ意外に面白いやつやん」って発見があったりもするものです。

タイトルにある「よだか」は「夜鷹」のことで、見た目がかなり酷い鳥なんですよね。そこから来ているみたいなんですけど、結局塞ぎ込んでいては誰も近づいてきません。本作の然子が、容姿が清原果耶になろうともそれは変わらなかったんですよね。
だけど、作品の着地ポイントがとても良かったんです。なんというか綺麗事で済ますだけでなく、然子という容姿で損をしている人間が必ず一定数はいて、彼女の鬱屈とした想いをただ説教くさく正すだけに終わらなかったのに好感持てたんですよね。
結末は予測できる範囲でしたが、なかなかどぎついドラマながらも最後はすっきりと気持ちよくなれるいい作品でした。
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