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タイガー&ドラゴンのもものネタバレレビュー・内容・結末

タイガー&ドラゴン(2005年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

こんなに笑って泣けて感動して笑うドラマ、やっぱりクドカンにしか作れないなと思った。

面白さと感動、どちらも譲ることなくせめぎ合ってるような、それでいてわかりやすいストーリー。
本当にお腹いっぱいになったし、目もパンパンになった笑

1話完結だから、途中で目的見失うこともだれることもなく最初から最後まで飽きることなく面白い。
1話完結という縛り、落語を元にする、毎話フィーチャーする人物が変わり、そんでもって主人公とその周りが変わっていく物語という多くの縛りの中でこれだけつぎはぎ感のない滑らかなストーリーに仕上がっていることに感服した。
最後のオチのナンも1話からの伏線回収みたいなもので、流石だなと思った。

極道と落語の世界、どちらも親と子、上下、伝統、面子というものを大事にし、時には家族以上のつながりをもち、そしてそうあることを必要とされる。
その二つの世界の狭間で板挟みになりながら、自分というもののあり方や面白いと、大切に思ったもの・人に一生懸命に、メンツよりも伝統よりも大切にした虎児とその家族、仲間たちの物語だった。

虎と龍。竜の方が力は強いが空想の動物であり、虎の方が力は弱いが現実の動物である。最初の技術はあるが廃業した竜二と噺家である虎児の対比。
本当の親子であるが親子であることを嫌がる竜二と本当の親子ではないが親子以上に愛しあっている虎児の対比。
才能はあるがやる気のない竜二と才能はないがやる気のある虎児の対比。
そんな2人が関わることで最初は「話すネタが欲しい」と厄介ごとに巻き込まれていった竜二と煙たがる虎児から、「オチを見たい」と厄介ごとに突っ込んでいく虎児と煙たがる竜二のようになった。
虎と竜が関わり合ってそれ以上の怪物に変化するような、そんなドラマだった。

特に印象に残ったのは新春SPの最後の五枚起請のオチの振り向き方と話し方、タイミング、カメラワークが全て完璧で、綺麗なオチってこういうことなんだなと、その瞬間涙が溢れて止まらなかった。
中谷中の2人の権助提灯のお話、花色木綿の二つのお話を親父と師匠の息子、虎児が融合させて一つにさせた、そのオチの瞬間。
銀次郎が3年後、立派に2代目として活躍しているものの、その実自分ではらしくない、と思っている、そんな銀が兄貴に放った「らしくないことすんな」に痺れた。
猫の皿は落語自体に惚れてしまい、短い話なのによくここまでオチを予想させずそれでも予想を超えてくる、落語というものの普遍さと身近さに強く惹かれた。

役者も今じゃ実力派揃いで、噺家、極道どちらのキャスティングもピッタリハマり役。
長瀬の極道役がこんなに似合うか?とびっくりするほどカッコよかった、舎弟役の銀もぴったり。
うぬぼれ刑事の大ファンなので西田敏行の師匠役はまたか、と笑。けどやっぱり親父役やらせたら1番だな、と思った。元上方の天才の鶴瓶の親父役も、ホンモノは笑うと一見優しそうなんだろうな、と思った笑。
蒼井優の蹴りっぷりが最高に痛快でスカッとして何度も見直した笑。

今じゃ考えられないようなモラル的問題とか、下ネタとか殴る、とかいっぱいあるけど笑、嫌な感じでなく、ストーリー上に面白みを持たせるものとして取り入れられてた。
くだらない、とかスカッとするとかでクスッと笑ってしまうようなそんな一つ一つの演出が心を掴んで離さなかった。

史上最高に面白いドラマ見ちゃったかもな、と震えてる笑
これから続きがないなんて悲しいな〜
奥深い笑いもあってちゃんと涙もあって、とっても面白いドラマ。今後、10年も20年先も何回も見ることになるんだろうな。