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タイガー&ドラゴンのakのレビュー・感想・評価

タイガー&ドラゴン(2005年製作のドラマ)
3.9
人間というのは愚かで気持ちを伝えなかったりする一方、人の為に行動するなど憎めないとこがある玉虫色の生物である。それを面白おかしく伝えるのが落語である。
落語は面白いからこそ人々の居場所になる。この居場所で救われたのが虎だ。救われない環境で生きているからこそ人生に幸を求めるなら笑うしかないのだ。
落語は日本の文化であるが、若者に普及できていない現実があると思う。5話で"面白いものは共有したい"というような台詞があったがクドカンは落語という文化を共有したかったのではないか。作中でも描かれたが保守的な空間だと想像できる。実際にメタ的な構造で落語をドラマに昇華して興味をもつ工夫は見事だったと思う。落語、古典芸能への見事な賛美歌だ。

ナンが劇中に登場してきて、それはサインされたり、カレー以外の物と出てきたり本来の用途通りに使われない。皆が不味いと言い、明らかに似合っていない。虎も落語似合ってないし、竜も服屋は似合ってない。でも、楽しくてそこに居場所があるならいいのではないのか。『カルテット』のように好きを肯定作品してくれるような作品でもあると感じた。
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