Larx0517

刑事ヴァランダー 白夜の戦慄のLarx0517のレビュー・感想・評価

刑事ヴァランダー 白夜の戦慄(2012年製作のドラマ)
4.1
やるせない。
ヴァランダーを観ると、この言葉が心に染み入る。

初めてのヴァランダーの柔らかい笑顔が印象的。
新居での、「家族」との新生活。
その新生活に刺す影。

「表面の肉体は剥ぎ取れるが
骨にたどり着くまで
時間がかかるし
破片が残る」

新しい生活で、変わろうと努力するが、ままならない。
この仕事をしている限りは。

今シーズンでは、スウェーデンからバルト海を挟んだ国、e1ポーランド、e2ラトビア、が絡んでくる。

マーティンソン役のトム・ヒドルストンは今シーズンは登場しない。

シーズンが変わっても、電話の着信音は変わらない。

このシリーズを観て、痛感するのが、「普通の人」を演じるのが一番難しいということ。
エキセントリックな役は、分かりやすく、やりやすい。
「普通」は、少しでも「過剰」になると嘘くさくなる。その上で「普通の人」の心の揺らぎを表現する。

これほど言葉を尽くして言葉を紡ぎたいと思うドラマはそうない。
それが自分に向かって再認識する為か、
見知らぬ人に向かって伝えたいのか、自分でも分からない。
ただ語りたいという衝動が湧き上がる。
それが宇宙に向かってボイジャーを飛ばすようなものでも。
語らずにはいられない。
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