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黒革の手帖のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

黒革の手帖(2004年製作のドラマ)
4.8
銀行員・原口元子(米倉涼子)は勤務先の銀行から1億2000万円を横領する。元子は架空名義預金者のリストが記された黒革の手帖と引き換えに、銀行に横領を不問に付させることに成功する。やがて、銀座の老舗クラブ「燭台」のママ・岩村叡子(山本陽子)のもとで銀座での生き方のイロハを学んだ元子は横領した金を元手に、銀座に「カルネ」(仏:carnet 手帖)という名のクラブを開く。カルネには、男に捨てられ、途方にくれているところを元子が拾った、山田波子(釈由美子)などをホステスとして加え、カルネの経営は順調な滑り出しを見せる。しかし、波子はカルネの常連客の楢林譲治(小林稔侍)と深い仲になり、楢林から金を引き出して、「カルネと同じビルに自分も店を出す」と言い出す。波子の裏切りに激怒した元子は、写しをとっておいた黒革の手帖を使って、楢林から大金をゆすりとる。そのため、楢林から波子への援助は停止され、波子の開店計画はご破算になる。波子の放逐に成功した元子は、銀座一の名店「ロダン」が売りに出されていることを知り、ロダン買収のために、新たなターゲットを探し始める。そのころ、カルネには陰のある代議士秘書・安島富夫(仲村トオル)が顔を出すようになる。男に依存し、挙句の果てに捨てられた母の姿を見て育った元子は、どの男にも頼らず生きていこうと決意していたが、安島に惹かれて行く。元子の噂は銀座中にとどろき、その噂を聞きつけて、総会屋の長谷川庄司(津川雅彦)もカルネに顔を出す。そこで、元子と安島が惹かれあっていることを知った長谷川は、元子に安島に近づかないよう警告する。安島への恋を忘れ、ロダン買収に邁進する元子だったが、長谷川は元子に周到な罠を仕掛けていた。果たして元子は、野望を果たせるのか?
松本清張のサスペンス小説をドラマ化。
金と力を持った整形外科医院院長(小林稔侍)や予備校校長(柳葉敏郎)や総会屋(津川雅彦)を相手に、架空名義の脱税者リストを写し取った黒皮の手帳と度胸としたたかさを武器に大金をゲットして野望を叶えていく原口元子と元子を演じた米倉涼子は、女性の憧れとなり、松本清張原作の悪女シリーズが3作続くことになった。
男の下心や欲をくすぐりつつ、あくまでも体を武器にしない悪女元子の生きざまはカッコいいし、金持ちでしたたかなターゲットと元子の駆け引きはスリリングで痛快。元子と違ったタイプの悪女釈由美子、整形外科医院院長に裏切られながらすがるしかない愛人室井滋が、男を頼らない元子と好対象。
総会屋の圧力に絶体絶命な元子が打つ逆転の一手が痛快なクライマックスが、スカッとする後味のピカレスクロマンドラマ。