いいしゅん

ウォーキング・デッドのいいしゅんのレビュー・感想・評価

ウォーキング・デッド(2010年製作のドラマ)
4.8
《面白くないわけないじゃないか(えなり)》

ゾンビが彷徨う荒廃した世界。
壊れていった大きな都市のビジュアルが堪らなく好きだ。

ホコリが舞い、ゴミが散乱し、死体の臭いを放ちながらおどろおどろしく歩くデッド。そんな地球を蔑むような曇り空は妙に不気味さを増している。

序盤、そんな世界を見て、主人公リックの虚無感といい絶望感ともいうなんとも言えない感情が丁寧に描かれている。

病院を出ると、いつもとは違う世界。ふと我に帰るとまず思うのは"家族"の安否だろう。リックの父親像としても重厚に描かれている。

デッドは怖い、いや、生存者(サバイバー)が怖い。

狂いそうな現実を受け入れられなくて、何が正しいのか、一つ一つの選択肢を苦悩するサバイバー。
時には意味のわからない行動、自分勝手な行動をして(自分では正しいと思っている)仲間を危険な目に合わすサバイバー。
家族のこと(自分のこと)を第一に考えていたら逆に悪い方向に進んでいってしまう現実。
自我を忘れ、狂っていくサバイバー。

決して2時間の映画に収まりきらない重厚すぎる人間ドラマに頭痛がするほど苛立つときもある。でも嫌いになれない。そんな世界では僕もそう成りうるかもしれないからだ。

これは通常の世界の話ではない。生きるか死ぬかの話。人間が崩壊していく様はこのドラマの見どころだろう。

もちろん、デッドとの死闘、逃走劇は見事だ。グロデスクな演出とスリリングな展開に手汗が半端ない。

何のために生きるのか
守るには何をしたらいいのか
どれが正解なのか
何処に行けばいいのか
何が真実なのか
何が嘘なのか

展開の読めないストーリーと人間の闇の部分が見え隠れする傑作ドラマだ。一度観るべきだと思う。


追記

実際、こんな世界になったら僕は何をするだろうか。これを見ながらシュミレーションしてます笑