みほみほ

ウォーキング・デッド4のみほみほのレビュー・感想・評価

ウォーキング・デッド4(2013年製作のドラマ)
4.2
今までのシーズンは、明確にハマっているというわけでもなく好きでも嫌いでもないが…ついつい続きが気になって見続けてしまうという海外ドラマにありがちな熱のバランスがよく分からない不思議な引きつけを感じていたレベルだったが、シーズン4に入って再び奴の姿を観た時に、「何だこれおんもしれぇ……!!」ってなって、「最期の決戦」で心をズタズタにされて、一気に感情移入が爆発した。

シーズン4ともなるとキャラクターへの思い入れがかなり強くなってくるし、ダリルやハーシェルへのファン度が増してて、自分でもびっくり。ダリルと一緒に旅したいし、ハーシェルみたいな父親の娘になりたいし、ミショーンはいつ何時もかっけえし、今シーズンで見せる意外な顔も魅力的。黒人兄妹の愛情深さとタフさも素敵。


結局のところ、ゾンビものである事には変わりないんだけど、そんな世界になってしまった時に、ゾンビ達よりも怖い人間の姿を多方面から総合的に観れるのが、このドラマに惹き込まれる最大の要因なのだと思う。

綺麗事を抜かすだけでは生き残れないんだよというメッセージを登場人物が体現していて、恐ろしい事も次々に起こるし、生き残る為には見殺しにだってしなきゃならない時もあるし…
それによって壊れていく信頼関係もあれば、引き合わされる運命もあったりして、「最期の決戦」の後の行方もなかなか面白かった。


このドラマを見始めてから ちょっと現実逃避的な考えをした時に、こんな世界でルールもなく生きてみたいわ〜なんて適当に思ってしまう事もあったけど、いざ彼らの過酷な生き方を見せられるとそんな気すら一瞬で消え去ってしまうようなハードさが今シーズンにはあった。

ただひたすらウォーカーと対峙するだけのシーズン1とは次元の違う段階に来ていて、生き抜くだけでもハードモード。

「最期の決戦」は辛過ぎて激しく泣いたし、「正気な狂気」ではまた違った切なさを感じて、とてもやるせなかった。強くならなきゃという言葉が、少女の心にどれだけ負荷を掛けていたのか…人によってどんな風に受け止めて生きていくのかまではコントロール出来ない危うさと、人間の薄弱な心を思い知らされた過酷なエピソードだった。


終着駅でのラストは意味が分からなかったけど、ますますシーズン5が観たくなる仕掛けでぶち上がった。後から色々明かしてくスタイルがこのドラマは結構巧妙で、ストーリーの完成度が高いなって真相が分かる度に感じさせられる。

そういえばあれどうなった?と思って、それを忘れかけた頃に 一気に出してくるから、なかなかの面白さがあると思う。

もう誰も失いたくないと 登場人物だけでなく、私も同じ風に思って見守っています。

(Huluにて吹替)
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