まごー

プライドのまごーのレビュー・感想・評価

プライド(2004年製作のドラマ)
5.0
月9ドラマは2000年代前半一度低迷期を迎える。
その原因は2004年頃あの大多亮が再び月9の企画に参加するようになったからだ。(そして宿敵TBSはオレンジデイズなど恋愛ドラマのヒット作を出しはじめていた時期でもある)
言うまでもなく、大多亮は月9黎明期を盛り上げたフジテレビの功労者。しかし、バブル景気まっただ中の当時とは時代は変わり、時代遅れ扱いされた。
結果、大多亮はこの時期、このプライドという作品以外にヒット作を生み出すことはなかった。

しかし、このプライドというドラマはどこまでもトレンディードラマっぽい作品である。なぜ、この作品はヒットし、とても面白いのか。

また、当時は、主演の木村拓哉がTBSでの活躍が目立ち始めるころでもあった。
2000年ビューティフルライフで40%を超える視聴率を獲得し、2003年のGOOD LUCK!!でも37%の高視聴率を獲得。
かたや、フジテレビは恋愛モノではない「HERO」で2001年に高視聴率を取っていたが、恋愛ドラマのフジテレビという自負のある彼らにとってTBSでの恋愛ドラマのヒット連発がどう映っていたか想像に難くない。
当時のフジテレビの制作陣のプレッシャーと覚悟は相当なものだっただろう。

そして、このドラマをめぐるもう一人の登場人物は脚本家の野島伸司である。
フジテレビのヤングシナリオ大賞第二回受賞者であり、「101回目のプロポーズ」や「家なき子」、「ひとつ屋根の下」「高校教師」「未成年」「人間失格」「愛という名のもとに」「この世の果て」と90年代に多すぎるほどのヒット作を世に送り出し「野島神話」と言われた。
まさに時代の寵児と呼ぶべき脚本家であった。
しかし、90年代後半「世紀末の詩」の視聴率が15%ほどに低迷、
モーニング娘。の安倍なつみを主演にした仔犬のワルツも大コケ。
当時の野島伸司はまさに時代遅れそのものだった。
彼にとっても、この「プライド」は久しぶりのヒットだったのだ。
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