【文学の神髄】
半沢直樹の大学病院バージョン。ただ正義漢が巨悪を倒すというよりか、出世争いによる権威主義の醜さなどがメインの内容となっており、よりリアルでドロドロとした世界観。全体的に胸に一物残るものがあり、半沢直樹のような爽快感は皆無。
浪速大学はまさしく白い(白衣姿の医者をイメージ)巨塔(教授や医師会の絶対的かつ強大な権力)であり、その巨塔に挑戦する者(江口洋介/里見)・登り詰める者(唐沢寿明/財前)・頂点にいる者(東)の対峙と葛藤の物語でもある。
里見派・財前派と色々議論はあるが、個人的にはどちらもめちゃくちゃカッコいいと思う。一男として憧れる。社会的プレッシャーの中ここまで自分の意志を突き通すのは簡単なことじゃない。
医療ドラマにとどまらず人間性の本質を描ききった今作は日本ドラマの、いや世界的に見ても紛うことなき傑作。文学界の一つの到達点、神髄です。