Benito

夜桜お染のBenitoのレビュー・感想・評価

夜桜お染(2003年製作のドラマ)
4.0
【 若村麻由美、日本舞踊で魅せる 】

若村麻由美の時代劇主演代表作である事に間違いない作品。当時36歳。

フジTVの時代劇ドラマ、全10回。
(2003年10月〜2004年1月放送)
→CS日本映画専門チャンネル再放送を鑑賞

日本舞踊坂東流名取で"坂東市若"の肩書きを持つ若村麻由美、このドラマではその舞が見事に披露されていてその佇まい、所作、表情にすっかり魅せられる。しかも桜のデザインが必ずどこかに配されていた衣装や小物にもこだわりを感じた。

ドラマ自体は人情あり、笑いあり、殺陣あり、舞踊あり、なかなか飽きさせないし、凄く丁寧に作られている作品。特に最終回の殺陣シークエンスは俯瞰撮影、雨を降らし、ライティングもセンスがあり素晴らしかった。

演出には斉藤光正「戦国自衛隊」をはじめ、井上昭、三村晴彦など映画監督としても実力のある面々が関わっていてドラマに厚みを出していたと思う。更にはフジの時代劇といえば「鬼平犯科帳」、そのプロデューサーである能村庸一が本作に関わっていて、更に凄いのは日本映画を代表する美術監督の西岡善信も制作にも美術にも関わっている。(西岡は当時の製作会社 '映像京都'の取締役、会社自体は2010年に解散)

脇には古谷一行、内藤剛志、火野正平、遠藤憲一という渋い面々、あと本作で片岡愛之助がドラマ初出演だったし、ゲストも豪華。
<ゲストリスト>
第一話 尾美としのり
第二話 益岡徹(第七、十話も)
第三話 松平健
第四話 石橋蓮司
第五話 田中健、本田博太郎
第六話 前田亜季
第八話 國村隼、三谷昇
第九話 林与一、石丸謙二郎
第十話 浅利香津代

「鬼平犯科帳」のエンディングにジプシーキングスの曲を採用したように、本作はオープニングにcobaの"3番目のi wish」" を採用、哀愁あるスパニッシュテイストのサウンドが良かった。
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