SANUKIAQUA

ランチの女王のSANUKIAQUAのレビュー・感想・評価

ランチの女王(2002年製作のドラマ)
4.5
突然の竹内結子さんの訃報はショックでした。
未だに信じられないくらいですが
少し時間が経ち、彼女の出演しているドラマから
この作品を久しぶりに見たくなりました。

かなり強引な手法で男ばかりの洋食屋に
たどりついた謎の女が彼女の役どころ。
オムライスを食べる美味しそうな顔
きっぷのいい感じ、
彼女の魅力にグイグイと引っ張られます。
少しずつ明らかになっていく彼女の過去。
微妙な感情の揺れを上手に演じてます。
基本的にはコメディなんだけど
しんみりした部分の描き方がよくて
ドタバタなコメディだけにはならないんですね。
そして恋愛だけというのでもない。
涙の味とともに〜というゲーテの言葉が
しみます。
ままならない色々な人生が垣間みえる
ラストの元彼の件や
お客として出てくる父娘、
元エリートなどのエピソードが沁みます。

出番もセリフも少ないですが
若林豪さん演じるお父さんが
非常に効いています。
次男、三男が彼にだんだんと似ていくというか
やはり親子なんだと感じるし
四男との微妙な関係もセリフには
現れない心のやりとりが感じられて良い。
長男だけはほんとにダメですが。

どの街にもそこにしかない店や味があり
それを守っていくのは普通でも大変だと思います。
新型コロナの影響など今ならなおさら。
昔行っていたお店がいつの間にかなくなってたり
別の店になってたり。
色々な思い出が詰まったお店が
残っていくといいなと思います。

さて、この作品をみていると
竹内結子さんがやはりどうしても
惜しく感じてしまいます。
江口洋介さんや、妻夫木聡さんらを相手に
堂々とドラマを引っ張ってるのをみると
なっちゃん、またまた飛び出してしまって、
と思ってしまいます。
またあの笑顔で戻ってきてくれないかな。
最後の地上波のドラマ作品で
彼女はクイーンを演じてましたね。
いつまでも彼女はクイーン。
ランチの女王として色褪せることはないでしょう。
SANUKIAQUA

SANUKIAQUA