KHinoji

みかづきのKHinojiのレビュー・感想・評価

みかづき(2019年製作のドラマ)
3.9
森絵都の小説が原作のNHK TVドラマ、50分枠x全5回。主演は夫役の高橋一生の方みたいだが、妻役の永作博美の物語でもあるので実質はW主演ドラマだと思うのが分かり易いと思う。

昭和の時代に塾を普及させることになった夫婦のお話。落ちこぼれを作りまくりの文部省の教育システムに反発した女性は、学校の先生になるのではなく家庭教師に。学校の用務員の男は学暦は無いが落ちこぼれの生徒に教えることに長けていた。ある日2人は出会いやがて結婚し塾を作ることなる。
最初は旨くいっていた塾だが、塾が普及しライバル塾が多くなり、おちこぼれに学ぶことの楽しさを教える教育ではなく、進学のための効率的なノウハウ教育を目標にせざるをえなくなる。教育者ではなく経営者として塾存続を考える妻と、あくまで教育の楽しさ・意義を重要視する夫との間に亀裂が走る。さらに3人の娘たちの成長と家庭環境の問題(両親は塾で忙しく娘達にあまりかまえない)が追い討ちをかける。この夫婦・家庭はどうなっていくのか・・・ 時代は平成になり、やがて2人の孫の世代、すなわち現代になる。
タイトルの三日月は、学校が太陽ならば塾は月ということと、永作博美演じる女性が欠けている何かを求めて強欲に生きていく様が満月になりたがる三日月の様に見えることからきているみたいです。

塾経営を題材にした女性の生き方の物語だと考えると、いかにもNHKが作り慣れていそうなドラマです。勝気で猪突猛進な女性が、男を振り回しながら人生を切り開いていくお話です。
原作小説は私は未読ですが、テーマなどは結構変わっているかもしれません。もっと教育や教育方法にかんする議論とかが込められているのかと思っていましたが詳しい話はほとんどなく、ストーリーの中核はあくまでラブストーリー、仕事をもつ夫婦とその家庭の方にあります。そこは賛否があるでしょう、私は少し物足りなかったです。

語られる期間は結構長いので全5回とはいえ、急ピッチで物語りは展開していくことになります。ダメな脚本なら希薄な物語になってしまうところですが、適切なエピソードと省略を行うことで(あと演技で)、感動的なドラマに仕上がっていると思います。さすがはNHKというところ。

このドラマで最大の見所はやはり役者の演技力にあると思います。
夫婦に 高橋一生+永作博美、妻の母親に 風吹ジュン、大人の3人娘に 黒川芽以、大政絢、桜井日奈子、孫世代の新しいカップルに 工藤阿須加+岡本玲、さらに夫を惑わす 壇蜜。まぁ、良い(もしくは話題の)役者を集めてるなと思います。
全体としての脚本には多少の薄さも感じましたが、役者の演技で押し切ることが出来ていると思います。もちろん中核は、永作博美と高橋一生です。女優・黒川芽以もやはり私は好きだな、と再認識できました。

教育云々について期待しすぎるとコケますが、全体的にバランスの良い感動のドラマになっていると思います。

(2019/2 NHK地上波録画にて)