うっちー

恋のスケッチ~応答せよ1988~のうっちーのレビュー・感想・評価

恋のスケッチ~応答せよ1988~(2015年製作のドラマ)
4.2
見始めた時は回が多過ぎて、リタイアするかなぁと思っていたんだけど、子どもたちの恋愛絡みの回が増えてきた頃から、全体が見えてきて、俄然面白くなってくるニクいドラマ。いわゆる横丁もので、ご近所さんたちのコミカルなドタバタかと思いきや、親子、夫婦、幼馴染の友達、そこから恋、愛や、仕事、人生についてなど、扱われる要素がぐんとひろがるが、群像劇でありながら、それぞれのストーリー描写が丁寧で、心に残るのだ。

1988年が舞台なので、民主化運動の話しも若干絡んでくる。ソウル大生の長女がデモに参加していることを心配するソン家のお父さんが、偶然道で出会った警察に追われる学生を庇い、小遣いを渡すところなんて、ジンときたし。ウォークマン欲しさに学校行事の歌合戦に出たり、いつも皆んなが集まる家があって、『男たちの挽歌』を観て、ラーメンを鍋ごと食べたり。細やかなんだけど、楽しい日々が、これでもか、というほど愛しく描かれる。好きにならないワケないじゃん!

ドクソンの天然ぶり、ジョンファンのツンデレぶり、ソヌの賢さと強さ、テクの可愛らしさ、ドンリョンのコメディアンぶりなど、子どもたちがみんな魅力的。中でもジョンファンを演じたリュ・ジュンヨルの瑞々しい魅力が爆発していて、初恋を諦めるシーンでは胸が痛くなるほど。こういうのが似合うひとだ、つくづく。あと、なぜかドクソンが学校で、大学進学は厳しいと言われ、オンマに詫びるシーンがとっても泣けた。

父母たちの出番も多く、それぞれに個性的で楽しい。個人的にオンマならミランさん、アッパならムソンさんがツボでした。

こんなに長いのに、こんなに濃いなんて、どうなってるんだ、という、韓国版久世ドラマ(ムー一族とか?)か。あったかくてジンときます。観てよかった。
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