人は、何かを持てば、何かを持てず、何かを得れば、何かを失う。その事実を突きつけられるドラマだった。
全話通してあたたかい。一人ひとりの感情や思考が、とても丁寧に描かれているので、全員がとても大切に思えてくる。それぞれの時代に、それぞれの年齢に、それぞれの立場に、守るものがあるのだと実感する。
素敵なシーンがたくさんある。特に好きなのは、1989年の中国で、ドクソンがテクを大切に思うからこその行動。視聴者として、いい意味で裏切られて、ぐーっとドクソンが好きになる。彼女の健気で、思わず出てしまう素顔に惹きつけられる。
人が持てるものには、限りがある。でも心から手に入れたい、大切にしたいと思うものがあるのならば、守りたいと思うものを守りきるためには、自分から一歩、踏み出さなければならない。
テクの、大切なものを大切にしようと思うからこそ迷う思いにも、それでも一歩踏み出そうとする勇気にも、心揺さぶられる。
自分の人生は、自分の判断や行動で色付いていくものなのだと、改めて考えさせられる。でも、何かを失ったとしても、健気に誠実に生きることで、またきっと他の何かを手にしていけるのだとも思いたい。そんな希望を感じるドラマだった。
