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家族なのにどうしてのPaperCupのレビュー・感想・評価

家族なのにどうして(2014年製作のドラマ)
3.7
パクヒョンシク出演作ということで観始めたが、全79話の長い長いドラマなので前半は1,8倍速+かなり飛ばしながら観た。中盤にさしかかってタイトルの意味がわかってからは面白くて飛ばせなくなり、8割方を倍速で視聴。

このドラマの最大の見どころは間違いなくキム・ヒョンジュ演じるカンジムと、キム・サンギョン演じるムン専務。キム・サンギョン、なんと『殺人の追憶』のあのカッコいい刑事さんじゃありませんか!この二人、キャラクターもよく演技も本当に上手くて、めちゃめちゃ笑えるし泣けるしで大変楽しませてもらった。

チャ秘書室長、15年のキャリアを誇る、仕事に対する高いプロ意識と責任感を持つ余人を以て代えがたい極めて有能な女性、というキャラクターに非常にリアリティーがあった。仕事の時の戦闘用ファッションと普段のダラっとした格好の落差などもリアル。ここぞという時のセリフが筋が通っていて痛快で胸がすく。

ムン専務、あの『殺人の追憶』の刑事さんがカッコよさへの未練を完全に絶ち切って、ここまでコメディアンに徹するなんて感動で笑いが止まらなかった。無闇にエラソーなところがなく、自分の欠点も認めることの出来る実はかなりいい男。

他のキャストでは、ソガンジュン演じるウノがよかった。何気にいいヤツ、ウノ。ムン専務のマンションに押しかけて一人っ子同士本当の兄弟のように距離を縮めるのも心暖まる。ペクソリを厳しく評価しているのも人を見る目がある証拠。でもあの改竄は×。

兄嫁のヒョシン、あまり賢いとは言えず頼りないけれど、愛情深くて偏見をあまり持たないところがいい。カンソウルを面白く思わず、それを表面に出してしまうところなども正直で共感した。その夫ガンジェ、普段のクールな表情と裏腹な人の好さそうな笑顔がカワイイ。

ヒョンシクは、顔がまんま小学生。偉大な先輩たちの演技を目の当たりにして、ヒョンシクさぞ多くのことを学んだのだろうと推して知れる。無骨者の役だしファミリードラマだからか、ヒョンシクカップルのラブの描き方はアッサリ。この小学生が2年後にはあの美しいジディ様に化けるのだからわからないものだ。

ヒョンシク演じるタルボンの相手、カンソウルだけは最初から最後までリアリティーのないキャラクター設定でちょっとよくわからず。カンソウルに計算高いとケチをつけたくなるヒョシンの気持ちもわからんでもない。妙に鼻につくあの独特の喋り方は洪城訛りなのだろうか?

家族関係については、韓国と日本とで考え方が違うので、今の日本に置き換えると受け入れ難い部分は多々あるが、昭和の日本のドラマを見るような気持ちで観た。見終わったら、それぞれの登場人物に親戚のような親近感を持っていた。
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