まろこ

ブレイキング・バッド ファイナル・シーズンのまろこのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

バッドエンドの最高峰。
6シーズンかけて築き上げてきたものがじわりじわりと蝕まれ、最終シーズンで地の底に突き落とされる。なぜかそこに快感。
誰も幸せにならないけれど大好きな作品。


いちばん悲しいのはウォルターとジェシーの関係。
お互いを心の底では信用していながら全シーズン通して足並みが揃わない歯痒さ。親の心子知らず、子の心親知らず。
ふたりが分かち合った時間や喜び、信頼関係も全部メスの快楽みたいに脆く儚いものだったのか?私が見せられていたふたりの笑顔は一体なんだったんだよ!!!

それと同時にジェシーの人生を翻弄したウォルターが許せない。
ジャンキーとは言えど、子供が好きで人に頼られることに喜びを感じていた優しいジェシーだったのに、ウォルターのエゴから不幸を重ねる度にやつれ壊れていく様子が辛かった。
ウォルターの家族のために始まったメス作りが、いつしかウォルター自身の自己顕示欲や支配欲、承認欲求を満たすための犯罪に変わり…そんなエゴがもたらす副産物に苦しめられるジェシー…。ああ、辛かった。

2人とも所詮犯罪者と言われればそれまでだけれど、本当に悲しくてやり切れない最終シーズン。


どこか遠いところに残された家族が平穏な暮らしを取り戻せていますように。と祈ってしまうほどのめり込んでしまうドラマだった。
まろこ

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