勝ったのは農民だ

昭和元禄落語心中の勝ったのは農民だのネタバレレビュー・内容・結末

昭和元禄落語心中(2018年製作のドラマ)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

【おそらく漫画・アニメ・ドラマのそれぞれにいいところがあると思います。】

過去鑑賞記録でかなりうろ覚えなレビューですが、🙇🏻‍♂️

まず、雲田はるこさんの原作漫画自体が好きです。📚
少女漫画なんですけど、少女漫画に苦手意識を感じているような自分でも読みやすかったです。
全10巻と比較的短めですしね。

いい意味で絵のタッチがひと昔前の感じで、作品の雰囲気もよくて楽しめました。


そして、
アニメ版は観ていないんですが、
Filmarksでの評価は非常に高いみたいなので、多分観たら満足すると思います。

その高いスコアの示す通り面白いものなら、
自分は声優さんのすごさを感じるはずです。🗣

そして、
このドラマ版に関しては、
自分は演じた俳優さんの頑張りを1番強く感じました。

アニメ版を観ていないので比較は出来ませんが、おそらく漫画・アニメ・ドラマのそれぞれにいいところがあると思います。

🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣🗣

【主人公:与太郎/三代目助六を演じた竜星涼さんはすごいと思いました。】

そしてこのドラマ版ですが、

基本的に主要キャストがみんな良いです。

まず、主人公の1人である与太郎/三代目助六を演じた竜星涼さん。

現在放送中の朝の連続テレビ小説「ちむどんどん」は基本的に観られていないんですが、

劇中で彼が頑張っている回をたまたまTVでチラッと観ました。📺

調べたら、
その「ちむどんどん」も、
今作「昭和元禄落語心中」と同じ羽原大介さんが脚本を担当しているというのを知ってすごく合点がいきました。📝

今作で竜星涼さんが演じる与太郎というキャラクターは、その名の通りダメ人間なんですが、純粋でどこか憎めないキャラクターです。😅

ちょっと寅さんにも似たヤクザ崩れの兄貴で、「ちむどんどん」にも少し通じるものがあります。


特に、「昭和元禄落語心中」の見せ場としては、

与太郎が物語中盤でヤクザの親分相手に啖呵を切る場面🗣があるんですが、あの場面は完全に原作漫画を超えていると思います。
ワンカット長回しで🎥演じた竜星涼さんの熱意や心意気も伝わってきます。

彼が全く違う『トイ・ストーリー4』のフォーキーの吹き替えが出来るのもすごいと思います。
(自分はフォーキーも好きです。)



その他の主要キャストも良くて、

成海璃子さん(役:小夏)も大政絢さん(役:みよ吉)も原作のそれぞれのキャラクターの特徴をしっかり捉えていました。


それから山崎育三郎さん(役:助六)も“破天荒な天才“役が似合っていました。
今作の評判がよかったせいか知りませんが、彼はこれ以降でNHKに朝ドラにも大河ドラマにも出演しました。


あと、今作のもう1人の主人公:菊比古/有楽亭八雲を演じた岡田将生さんも最高です。🆒
彼が出演しているだけでその作品自体の品格がワンランク上がるような気がします。🆙

『ドライブ・マイ・カー』🚗ももちろん良いんですけど、
「彼の出演作品で1番好きなのは何❓」って他人に聞かれたら、自分は文句無しにこの「昭和元禄落語心中」を挙げます。

それから脇役なんですが、
原作漫画で松田さんという世話人のキャラクターが個人的に好きで、彼を篠井英介さんが演じているのは意外なキャスティングでした。

彼が小夏を叱責するシーンは原作漫画では描かれていなかったので、漫画をドラマ化するうえでよい膨らませ方をしていると思いました。

🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯

【当時の落語ブームにひと役かったのは間違いありません。】

話としては、

『浅草キッド』みたいな悲しきコメディアンの切ない人生劇場です。

「顔で笑って🤣、心で泣いて。😢」な寅さん的な考え方が日本人は好きなんでしょう。

あと、「あの子の父親は誰?」って謎も残りますけど、それはそこまで気にしなくても良い気もします。



そして、今作の成功は落語界の発展にもひと役買ったと思います。

劇中で“芝浜“👛とか“死神“🕯みたいな有名な古典落語が登場するんですが、それが物語と有機的に絡んできます。
それまでにも「タイガー&ドラゴン」🐯🐲とかもありましたけど、自分は今作をきっかけに落語に興味を持って、たまにYouTubeで観るようになりました。

「若い芸人はもっと落語を聞いた方がいい」って仰るベテラン芸人さんの声も聞きますし、
R-1ぐらんぷりのRは「落語」のRですし、要は落語は一人喋り芸の原点ですから。

惜しむらくは、
まだ落語ブームが続いている時にコロナが流行してしまったことですが、

ラストの主人公の

「こんないいもんが無くなる訳ねぇよ」

という言葉で、このレビューも締めさせてもらいます。🙇🏻‍♂️