ヒゲ人類

ブラック・ミラー シーズン1のヒゲ人類のレビュー・感想・評価

ブラック・ミラー シーズン1(2011年製作のドラマ)
4.8
誰もが口を揃えて絞り出す後味が悪いという評価はまさしく。ただ、これは決して品質が良くないというわけではなくて後味の悪さを楽しめる傑作という事でしょう。
観終わってモヤモヤしているのに次々と再生してしまう…
大どんでん返しや奇抜な展開で面白がらせるというよりも、近未来の少し変わった設定の中で人間模様をきちんと見せていて、むしろわけのわからん現代を舞台にしたくそみたいな邦画の恋愛物よりも全然リアリティを持って際立っているのが凄い。

第1話「国家」
色々な人が怪しく見えてくるのが面白いし怖い。みんな変わらないのに周りが怪しく見える。首相自身が周囲を怪しんでいたかは分からないけれど、俺は身内含めて怪しく見えた。疑心暗鬼ねまさに。

第2話「1500万メリット」
ダニエルカルーヤですね。
これが評価されてスターダムにのし上がったらしいね。まあそれは良いとして、限定空間のかなり現代とは隔絶された状況の筈なのに全部今に言えることじゃないかって言うとても上手な作り方の例じゃないでしようか。

第3話「人生の軌跡のすべて」
面白いガジェットを使ってはいるけれど、やっぱり永遠のテーマだよね男女の問題は。愛情というかお互いの関係性において重要なポイントをどこに置くかっていう。奥さんは愛情で、旦那は肉体って事なわけだよね。
どれだけぼろくそ言われても折々できちんと旦那の事を心配していたけれど、旦那の方は疑い始めたら「絶対にそうだそうに違いない、いやそうであってくれ」という状態になってしまっていた事で読み取れるよね。後ろめたさからくる心配ではなくて、あれは相手の事を気遣っている心配だった。心が痛い。
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