スローターハウス154

ブラック・ミラー シーズン1のスローターハウス154のレビュー・感想・評価

ブラック・ミラー シーズン1(2011年製作のドラマ)
4.5
2021/5/14
1話
最初は笑ってしまうのだが、問題のシーンになるに連れて自分だったら...と考えるとえぐられるような絶望感が押し寄せる。
身内が攫われたのに王室が塩対応なのがとても皮肉効いてて良いですね。
「お気の毒ですがもうあなたの意思は関係ありません」が精神的死刑宣告で怖すぎた。こんな形で国を背負う者の覚悟が試される社会になっていくのだろうか...。
犯人も、人間の性(さが)とこの病的な情報化社会に深く絶望していたに違いない。いずれこういう無敵の人が出てきそうなのが怖いですね。

2021/5/15
2話
「箱」の中の狭い世界での話。
我々はまだこれ程徹底した「箱」に囲われてはいないけど、やっていることはすでに「箱」の中と同じで世間の縮図。“本物(純粋)”なものほど貴重だし、征服したい、さらには穢したいという人間の欲望。
この世界の住人だったら自分はデブ側の立場になりたいかもしれない。偽物の夢を見させ続けられるよりかはまだ人間らしくいられそうな気がする。。
「この世界はおかしい」と気付いても抜け出すことはできず、逆にうまい具合に取り込まれてしまうという地獄。オーウェルの『1984年』みを感じる。死によってしか抜け出すことが出来ないのだろうが、自己欺瞞で自我を塗り固めてでもギリギリまで生きたいのが人間なのかな。
「箱」の外の世界はどうなってるんでしょうね。

2021/5/16
3話
逐一記憶端末に触れて心ここにあらずな感じが、目の前に親しい人がいてもお互いスマホをいじり合っているような現代の我々のコミュニケーションに似ているように思う。機械依存。
一般的に、過去の出来事を忘れたり都合よく解釈したりすることは良くないと思われがちだが、人間の記憶が曖昧であることが、どれほど人間関係で大事なのかということを考えさせられる。
自分以外の他者のことは「知らなくていいこと」が大半なのかもしれない。
あと最後ちょっとグロい。セルフでやるのがすごい。

総括: 1〜3話全部セックスに関係ある話だった。やはり人間の本質はセックスであり、そこに言及しなければ人間の本質、闇は見えてこないってことなのかも。