きりかぶ

ブラック・ミラー シーズン3のきりかぶのネタバレレビュー・内容・結末

ブラック・ミラー シーズン3(2013年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

とうとうシーズン3も見終わってしまいまして

このシーズン、ここまで見てきて最も心温まる話と最も胸糞悪い話が含まれていてなかなか浮き沈みが激しかった

3話目の秘密
これキツい…
最後登場人物達にどういう感情を抱くかは人によって大きく分かれるところだと思うけど自分としてはとても複雑な中でわずかに同情してしまった

もしこの出来事をニュース等で知ったとしたら特に感情的にはならないのかもしれない
しかしひとりの人間として全てを見た場合擁護はできないとしてもこんな形で罰していいのか?と思ってしまう

本当は何が大切なのか分かっているのに魔が差してしまったり、表に出せない性癖を抱えて密かに処理したり
そんな経験は割と誰にでもありそうだしそういう秘密を持ちながら生きている人がほとんどだと思うけど

そもそもこのゲームを行っている存在の目当ては?
正義感なのかただの遊びなのか
前者の場合思うのが悪を罰する=正義?ということ
悪に対抗するということは必ずしも正しいとは限らないし自身も同じレベルに落ちることを覚悟して行うものだと思う
現実でも行われる悪者(もしくはそうさせられた人)に対しての情報特定や誹謗中傷はその考え方からは外れている
目の前に悪らしきモノがいることで自分を正義だと勘違いし結果別の悪を生み出していることに気付いていない

そしてそれは集団になるほど大きな力を持ち恐ろしい存在になる
そちら側に焦点を当てたのが第6話殺意の追跡

不人気投票の1位が殺されるというストーリーは過去にも見たことあるな〜と思ってたけど流石はブラックミラー
やっぱそれだけじゃ終わんないよね
もしこのストーリーが全て空想のものだったならラストはスカッとして終わりなんだろうけど
残念ながら現実がこんなんなのでそうすんなりいかないのよね
実際こんなことが起きたら世界の人口は何分の1になっちゃうのかしら

ところで小学生くらいの時から思ってたんだけど「死ね」とか「殺す」を日常的に軽く使う人達って一体どういう心境なの?
ドラマの中ではただの冗談だって言ってたけど実際冗談でもそんなこと思わなくない?
ましてやそれを言葉にするなんて…


ということでブラックミラー唯一の良心、サン・ジュニペロ
事前に軽いネタバレをくらってしまったため冒頭の歌でほぼ察してしまったけども
だとしてもやっぱり好きねこの話
最後に出てくる天国の形を見ると手放しで美談とも言えない気もするけど
ただこれが現実になったらよく慰めで言われる「住む世界が変わっただけだよ」がそのまんまの意味になるね

オープニングとエンディングに流れるHeaven is a place on earthが最高です
きりかぶ

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