ブラック・ミラー シーズン3のcompmuaのネタバレレビュー・内容・結末

・サン・ジュニペロ
前から似てると思っていたけど、マッケンジー・デイヴィスがますますメアリー・スチュアート・マスターソンに見えてくる。
女同士で踊ってるのをみんなが見てたからって逃げ出すマッケンジー・デイヴィスのかわいいこと。曲に合わせて服装を選ぶシーンも80年代の青春映画を見てるようでたまらなくかわいかった。

いかにもな説明セリフで解説されるのではなく、あの世界の人達との会話でだんだんと本当の世界ではないことがわかってくるのがいい。

死んだ後も精神をクラウドにあげて仮想世界で若い姿で永遠を生きられる時代。
ヨーキーは21歳から全身不随で寝たきりであり、彼女の望み、仮想世界で永遠に生きることを叶えてあげるために結婚するケリー。
仮想世界で今を生きるヨーキー、でもケリーは娘を仮想世界ができる前に亡くし、長年連れ添った夫は仮想世界で生きることを拒んで死んでいった。夫と娘がいないこの仮想世界は現実じゃないと思うケリー、二人の中に生まれたこの愛は現実だと言うヨーキー

仮想世界で永遠に生きることが幸せなのかどうか、自分なら永遠に生きたいと思うのかどうか、仮想世界で新たに出会い生まれた愛が、想いが確かにあるのならば、それは現実と言えるのではないか？等々。
すごく考えさせられる話だけど、
個人的に大好きな「ヘブン・イズ・ア・プレイス・オン・アース」をBGMに
仮想世界で共に生きることを選んで車で風を切って走っていく二人は幸せそうで号泣してしまった。


・ランク社会
皮肉たっぷりで面白かった。結婚式での暴露スピーチで大喝采を得られるようなありがちな展開でもなく、結婚式から連れ出される最後まで評価を捨てきれず、拘置所で爆発する展開が逆に良かった

・秘密
盗撮をネタに脅される話。
めちゃくちゃスリリングで主役の男の子が上手すぎて、見てるだけで精神すり減った。
不倫くらいでそこまでやるかな？とちょっと思ったりもしたけど。
罪の度合いによってやらされることの程度も違って、最後にあの二人が殺し合いに選ばれたのは児童ポルノがいちばん罪深く、バレれれば全てを失うってことなんだよね

・殺意の追憶
重厚な分厚いミステリー小説を読んだ気分。殺人方法に少しだけ近未来が取り込まれてるけど、犯人の真の目的は今まさに、現代社会で起きてることの問題提起となっている。
二人の捜査官のキャラクターもきちんと描写されているのも素晴らしい。