カイザーソゼ

ブラック・ミラー シーズン5のカイザーソゼのネタバレレビュー・内容・結末

ブラック・ミラー シーズン5(2019年製作のドラマ)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

今回は良作揃いって感じ。

今シーズンはテクノロジーの負の面はもちろんのこと、人間の感情にウェイトを置いた作品揃いのシーズンでした。今回は3話のみってのが残念!

『アシュリートゥー』も好きですが、今回特筆するのは…

『ストライキング・ヴァイパーズ』
ゲームによるジェンダーの崩壊を描いた問題作!

『ストライキング・ヴァイパーズ』という格ゲーを楽しむダニーとカール。昔はプレステでやるようなゲームも今ではVRの最上位でゲームキャラとリンクして楽しむものへと変わっていた…
そんな中ふたりはゲームの主旨とは異なり格闘ではなく、性行為を行うようになり最上級の快楽を味わう事に歯止めがかからなくなっていく。
現実とは異なりゲームの中(遊び)だから浮気ではないのか?
ゲームの中で愛し合っていたふたりは現実ではどうなのか?
現実に与える影響とは?

今までの『ブラックミラー』からすると何となく思ってたのと違う。って印象だが、考えてみると人間の本質を突いている作品の様にも感じる。
実際にゲームをやれば、RPGの中でカジノをやったり、アクションアドベンチャーゲームでキャバクラ営業バトルにハマったりもする。本来の目的とは異なる遊びができるならやってみたくなる気持ちはよくわかる。
またゲームとはいえリアル過ぎる性行為に現実世界で妻を愛していて罪悪感を感じ、カールを遠ざけるダニーも、ゲーム内の快楽に溺れ、ゲームだからと言い聞かせ欲望に勝てないカールの気持ちもわかる。

そんな中、現実世界でもゲームの時と同じ気持ちになるかと確認するためにダニーとカールはキスをすることになる。
結果ゲーム内と同じ気持ちにはならなかった。現実世界とゲームでの気持ちに矛盾が生じていることで、カールはゲームはゲームだったと関係を続けようと迫るが、それを断るダニー。そこから殴り合いの喧嘩となり警察沙汰に…
警察にダニーの身元引受けに来た妻にすべてを打ち明けた。
そして最終的にはカールとの関係をダニーの誕生日に限り妻にも認めてもらった…

と言うLGBTQに近い新しいコンテンツの話でしたね!
最終的に認められたってラストで何となく救われる人がいるんじゃないかと思いました!
LGBTQではない人に理解しづらい心情なりを『ブラックミラー』らしくテクノロジーの進歩と共感できるツールにより描き風刺しているようなつくりで、様々な人のあり様や偏見、差別なりを考えさせられた素晴らしい作品だと思いました!

ごちそうさまでした!