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ミスター・サンシャインのNightCinemaのネタバレレビュー・内容・結末

ミスター・サンシャイン(2018年製作のドラマ)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

ドラマの域を超えてる。超大作。
史実に基づいたフィクションとはいえ、日本人として心に痛い場面が多々。そう作られているから尚更でもある。ただそうした歴史があったことを忘れず、未来に繋いでいくしかない。

主要な登場人物達が皆高貴で、目の前の同志のため、誇りのために選択を重ねていく姿が涙なくして観られませんでした。

やっぱり最後3話ぐらいが特に号泣ですね。それぞれのやり方でエシンを守りながらいつもライバルだった三人が、最後に真の友人となって盃を交わし、激動の中で最期を迎えるまでの過程が本当に孤独で格好良い。美しい衣装に身を包み、グローリーで珈琲を飲み、バルコニーからの逢瀬を楽しむ。そうした、登場人物達にとっておそらく人生で一番輝いていた時の温かな記憶が、走馬灯のように思い出されます。

皆争いの中で命を落とすのに、一人ひとりの最期が幸せな終わり方だったと感じさせられたのも、役者さん達の表情や演技力の賜物。

衣装が床を滑っていく所をつかむシーンや、桜の散る描写、少し特殊なアングルで人物を映し出す技巧が随所にあって、時代の退廃的な空気がよく表現されており耽美的なのも印象的。そこに少し、日本的な美の断片も感じてしまった。戦乱の中で生き抜いた人々の精神性を含めて、美しさというのが一つのテーマなのだろうと感じます。
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