Longsleeper

バビロン・ベルリン シーズン1のLongsleeperのレビュー・感想・評価

4.7
スペインの『情熱のシーラ』、イギリスの『ダウントン・アビー』みたいな本格大河ドラマがドイツでも生まれないかなあと思ってたら……あった!!笑

ドイツのサブカルの怪しげな感じはここが源流なのかしらと思わせる、耽美的で重厚なナイトライフの描写が印象的。
モカ・エフティのホールでみんなが踊る場面の壮麗さは、他のドラマに類を見ない。
美術だけでなく音楽のセンスも抜群に良くて、とくに主題歌はお気に入り。
『あやつり糸の世界』のかっこよさを百倍濃縮して、百年前に舞台を置き換えたような映像。
現代ドイツのテクノとかは濃すぎて苦手という人も、この世界観なら引き込まれると思う。

庶民の昼間の生活の苦しさや、第一次大戦の敗北を受け入れられない鬱屈も丁寧に映しとられている。
ひそかに戦争神経症に悩むゲレオンや、貧しい家族の稼ぎ頭シャルロッテは、完璧な人ではなくてもそれぞれ応援したくなってしまう。
食えない上司も何を考えてるのか気になる。
第四インターナショナルや黒い国防軍などの陰謀が絡まり合うベルリンで何が起こるのか、シーズン2も目が離せない。
カットやシーンの構成の妙なのか、毎話毎話がすごく短く感じる。
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