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ザ・パシフィックのTKSDのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・パシフィック(2010年製作のドラマ)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

5.1ch対応環境で視聴。

これは…最高に面白い‼️
あっという間に全部見てしまった。
余韻が凄いです。

バンドオブブラザースも素晴らしかったが、同作から10年近くの時を経て、映像の鮮明さと迫力、ドラマ性、メッセージ性、個々の兵士のキャラクターの描き方、全ての面でスケールアップしていたように思います。

とりわけ、ユージーン・スレッジとスナフのベタベタしない友情にしびれる。声をかけずにそっと列車から降りるスナフにぐっときた。

頼りなさげなユージーン君がどんどんたくましくなり、たくましさを通り越して人間性を失いかけ、何とか踏みとどまるも、心に深い傷を負う。
終戦後も戦闘の悲惨な記憶に苛まれるユージーンの姿はいたたまれない。
ハト狩りにいって涙ながらに「撃てない…」と言う所は本当に切ない。

やはり、戦争に勝者はいません。
人を殺めた事を終生正当化して生きていかなければならないのは悲劇です。


太平洋戦線を描いている以上、相手はもちろん日本軍です。
そして、日本人に対する蔑称が何百回と米兵達の口から発せられます。しかし、当時の向こうの感覚からすればごく自然なことだと思います。

太平洋戦線の一米兵からすれば、日本への無惨な空襲も原爆投下も遠い話。

沖縄戦についてはもっと悲惨だったのではと思う部分はありますが、一米兵から見た限度での悲惨さは十分に伝わっていたように思います。

決して、傲慢なアメリカ万歳ドラマではなく、安易なお涙頂戴反戦映画でもありません。

鮮烈で強烈で悲哀あふれる一作。
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