なおき

Marvel アイアン・フィスト シーズン1のなおきのレビュー・感想・評価

2.6
花の騎士とナイジェリア・サンドの『ゲーム・オブ・スローンズ』コンビで送るマーベルヒーロードラマ。
話自体は、行方不明の金持ちの息子が里帰りするところは『arrow』、行方不明中に東洋の怪しげな所で修行するところは『Drストレンジ』と、他のヒーローものと被っているんだけど、扱う術はカンフーなので、まだセーフ。
実家のお家騒動とニンジャ集団ヤミノテや同門のダヴォスとの戦いに挟まれながら、成長するダニーを描いたカンフーものなんですが、悲しいことに肝心要のカンフーにあまり説得力がないのだ。


というのも、同じマーベルヒーロードラマの『デアデビル』と違って、夜中に戦わない、マスク付けないため、格闘シーンにスタントマンの吹き替えが使いづらく、俳優本人が格闘をこなしてるのだけど、動きが緩慢。
設定上だと、長年の修行の末、アイアンフィストとなったカンフー使いだが、アクションを見ると段取り通りに頑張ってる素人にしか見えない。
しかも、ヒロインであるナイメリア・サンドことコリーン・ウィングのほうがアクション上手いので、ますます素人に見えてしまうという惨劇。
頼むから、スタントマン使いやすいようにダニーはマスクかぶってくれと思いながら、見てしまった。


また、『ディフェンダーズ』の前フリのため、ニンジャ集団ヤミノテと戦うのも、茶番じみていて、常に刀を持ち歩いているコリーンもなかなかの変人だ。
この前フリとお家騒動と同門のダヴォスとイベント盛りだくさんなんだけど、いまいち軸足が定まっておらず、正直、話が行ったり来たりで散漫になってる印象。『アベンジャーズ』という前フリに時間を割きすぎて本筋がいまいちになった『アイアンマン2』のようになっているのだ。


それと、お家騒動の発端となるラスボスの吹き替えが『ブレイキング・バッド』のウォルターホワイトこと牛山茂だったので、個人的にはおおっ!となったが、それだけじゃ作品全体の穴を埋めるには至らないのよね。
てか、主人公ダニーの成長劇のはずなのに、憎まれ役だったはずのウォードのほうが成長しているという皮肉。
なおき

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