なおき

ベター・コール・ソウル シーズン1のなおきのレビュー・感想・評価

3.7
ご存じ大傑作ドラマ『ブレイキング・バッド』の登場人物ソウルのスピンオフにして、前日談。
『ブレイキング・バッド』が中年男が道を踏み外していくように、本作もまた、中年男が道を踏み外していく過程を描く。
それもソウルだけでなく、マイクもだ。


というわけで、このドラマ、ソウルとマイクという、『ブレイキング・バッド』を支えた二人の過去を描いたものなんだけど、その始まりは案外コミカル。
ソウルは、家から出れない偏屈な兄チャックの面倒をみながら、しがない弁護士として、事務所や裁判所や老人ホームの慰問をしたり、ろくでもない金にもならない珍客からの依頼をこなしたり、いまいち冴えない。
そんな冴えない男が詐術まがいの口八丁手八丁でしゃべり倒す様は面白いが、せいぜい後の悪徳弁護士の片鱗が見えてくるくらい。
つまり、初期『ブレイキング・バッド』のウォルターのようなものなんですね。
あっちも初期は、コミカルだったもんなあ。


ただ、本家とは違い、その過程はゆったりとしていて、今シーズンに関していえば、冴えない弁護士のトラブル生活が中心で、たまにシリアスでいぶし銀なマイクパートを描いて、緩急を付けてる感じ。


で、ソウルの肝といえば、その軽妙で畳み掛けるが如くのべしゃり術なんだけど、それがもっともいかされるのが、トゥコ(『ブレイキング・バッド』のシーズン1と2に登場したメキシコ人のやべー奴)との舌戦で、その交渉術には感服されること間違いなしの神回。
個人的には、この回がシーズン1随一の「ベター・ウォッチ・ソウル」だ。