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ベター・コール・ソウル シーズン6のgreendavidのレビュー・感想・評価

5.0
史上最高のTVシリーズ "だった"「ブレイキング・バッド」に出てくる、言ってしまえばたかがサブキャラクターのスピンオフ作品が、本家超えを果たすレベルの完成度を誇るTVシリーズになってしまうとは一体誰が予想していただろうか?

本家がウォルター・ホワイトという正真正銘のサイコパスが繰り広げる「動」の物語だとするならば、今作はジミー・マッギルという小市民が滑り続けていく過程を淡々と、しかし味わい深く描く「静」の物語。車椅子に爆弾を仕掛けたり、トランクに忍ばせた自動小銃が火を吹いたりといったドラマチックな展開は少ないが(この最終シーズンに限っては結構あったけど!笑)、時間軸を自由自在に行き来する壮絶なストーリーテリング、照明と被写界深度を完全に掌握した異次元レベルの映像表現、そして俳優陣の名演に次ぐ名演がこの「ベター・コール・ソウル」をネクストレベルの作品に昇華させている。

14年間にわたるアルバカーキ・サーガに円環を描く物語としての見事な幕切れをもたらした今作が、「ブレイキング・バッド」を超える史上最高のTVシリーズであることは紛れもない事実だし、個人的にはこれまで観てきた中で最も素晴らしい映像作品であると断言してしまおう。制作陣には感謝しかないです。本当にありがとうございました!
(多分最初で最後の5点満点。出ないと思っていたけど…)
(エピソードごとの細かいコメントも書いてるので気になる方は是非見てみてください)
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