都部

ベター・コール・ソウル シーズン6の都部のレビュー・感想・評価

4.6
S1〜S6完走。
最後の最後で自分の人生に誠実に成れたという着地点は、シリーズドラマとしての最終回としては静謐だが、ソウルのこれまでの人生を思うとなかなかに感慨深い。
撮影・編集がシーズンを増す毎により洗練されていく印象で、ふとしたカット単体の構図の美しさが要所要所で際立つ作りは一つのドラマとして非常に完成度が高く感じられた。
ウォルター・ホワイトが人として好きなので、そのスピンオフ故に見始めたソウルのドラマシリーズだが、本編に引けを取らない(総合的な仕上がりはこっちの方が上等な気さえする)出来なのは素晴らしい手腕だ。S3までの兄との確執も面白かったが、ラロサラマンカ登場以降のS4からは物語全体の雰囲気が引き締まり、作品としての面白さの質が目に見えて向上していたので右肩上がりの盛り上がりを維持出来ていたのもポイントが高い。一見すると勧善懲悪に傾倒した物語のようでもあるが、人生の行き場を見失った男が自らに相応しい終着点を見付けるという点が一貫されている辺りアルバカーキサーガはひたすらに誠実なドラマシリーズである。数多くの他人が不幸になり時に死にもしたが、語り部はそれでも結末に辿り着く。良いドラマだった。
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