meguros

警部補 古畑任三郎 1stのmegurosのレビュー・感想・評価

警部補 古畑任三郎 1st(1994年製作のドラマ)
4.0
日本映画専門チャンネルでの一挙放送、5話目からうっかり見てしまった。

元ネタであるコロンボをそこまで見られていないため、トリックがどこまで引用されているかは判断がつかない。ただ、古畑任三郎=田村正和と犯人役キャストとの丁々発止のやり取りに面白さがあるドラマなのでネタ盗用的な観点はいつ観ても気にならない。

むしろ、一匹狼でヨレヨレスーツのコロンボの日本版として、今泉ら部下にも囲まれた組織警察の一員でありながら洒脱な黒スーツにノーカラーシャツを合わせた独自キャラクター古畑任三郎を創造し、そこに田村正和を配して、主演が田村正和だからこそ参加しただろう曲者ゲストが田村正和に対峙するからこそ輝くというそのフォーマットに妙がある。

もうここ20年くらい三谷幸喜作に感心したことはないものの、今振り返ればこの頃はまだ悪ふざけの度も控えめで、脚本には切れ味とおかしみが両立。完全にヤクザにしか見えない警視・菅原文太の張り込み中、古畑がモスバーガーの各商品を説明して、最終的にきんぴらライスバーガーをおすすめする場面などはとても三谷的だが田村正和に依るところも大きいのだろう、この作品の魅力として機能している。

※後年の三谷作品を観るときに、元々パロディ的な資質のあった三谷幸喜がいつしかセルフパロディに陥ってしまったと観るべきなのか、田村のような大物俳優が業界から少なくなり、三谷脚本のドタバタスケールも格調も小さくなってしまったと観るべきなのか(そこまで観てないので詳しい人に教えてほしい)

※いや、ただ単純に、監督が少し向いていない、あるいは脚本との両立はやはり難しいということなのかもしれない(初監督作「ラジオの時間」もドタバタとせわしない映画だった記憶...)。この時代は共同テレビの星護や河野圭太などの優れた演出家に本を委ねることで輝いたと観るべきなのかも。

※格調の話で言えば本間勇輔もいい仕事をしている。「王様のレストラン」で素晴らしいスコアを書いた服部隆之とはその後映画も作っているが、三谷映画問題でいえば音の使い方も含めた演出の課題と考えると個人的には納得がいく。

1st Seasonの各ゲストは木の実ナナ(ピアニスト)、小林稔侍(時代劇役者)、鹿賀丈史(外科医)、石黒賢(超能力者)、小堺一機(政治家秘書)、桃井かおり(ラジオDJ)等。