ブラウン神父のキャラクターが面白い。変わりもんの神父さん。
プロテスタントの牧師とカソリックの神父が同じ教区に同居してるってあるんやね。
そんな物語の背景も興味深いミステリー。複数のレギュラー陣とのまじわりがあり微笑ましく楽しめる。小品ながら(原作も短編)ブラウン神父の推理と調査が冴えてます。
自転車で爆走するシーンが好き!つづきも見たいし、原作も読みたくなった。ブラウン神父をもっと知りたい!
追記
原作も数本読んでみた。ドラマの下敷きになった話も読んでみたが、まったく別物。ブラウン神父の性格も違う。
原作から受け継がれた要素は、カソリックの神父という厳しい戒律や慣習を重んじる世界に属していながら、以外に柔軟な価値観を持っているところ。
それと罪は許さないが人は罰せずというモットー。
しかしこの傾向はドラマの方が強く、相手の心に寄り添う信念を貫いたあげく、自分が窮地に追い込まれることも。
キリスト者の人は、このブラウン神父の行いに共感や感動を覚えるのだろうか?
追記2
共感するのか?…と書いたが、6話まで見てきたらブラウン神父のやり方を憎からず思うように。
「謎を解く快感」に没入するタイプの探偵には出来ない芸当を色々やってのける神父の姿にすこし憧れを抱くようになった。
利己的謎解き者は多いが、徹頭徹尾、利他的に謎を追う彼のような探偵は他にいるのだろうか?
この辺は現代的シナリオで、チェスタトンの原作には無い風味かもしれない。
それは彼の言う「神」って何だろう?と自分の胸に問うてみたくなる導き方にも現れていて、BBC作品のクオリティの高さに感服。
#1.神の鉄槌
#2.飛ぶ星
#3.狂った形
#5.アポロの目
#10.青い十字架
以上は「ブラウン神父の童心」収録。原作のセリフやモチーフをうまく織り込んである。謎解きやトリックはまったく新しいものになっているので、既読者にも楽しめ、さらに比較する面白さも味わえる。
チェスタトンのこのミステリは奇想天外な仕掛けが売りだと思うのだが、ドラマは別のベクトルで現代的にアレンジしながら成功しているので凄いと思う。