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蘇える金狼のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

蘇える金狼(1999年製作のドラマ)
4.3
4月、新東和信販(ファイナンス)に、朝倉哲也(香取慎吾)・石原学らが入社、業務部カード推進第3課に配属される。哲也が新東和に入社したのは、新東和の社長に就いていた腹違いの兄・富士木和正が自殺未遂と思しき状況で発見され、長期の入院加療を余儀なくされたが故であった。
和正の恋人であった冴木ユリと哲也は和正が自ら死を選ぶ筈はないと信じ続けていた。そして、茂義コーポレーションといういわゆる「乗っ取り屋」の社長である茂義敬雄が、ウラで和正を排除しようと彼の殺害を図ったことを悟った哲也は、和正が愛する会社と社員達を守るため、素性を隠して新東和に入社したのだ。新東和を守るためには、新東和の発行済み株券を購入し、株主としての発言力を持たねばならない。そのために、哲也は敬雄の一人娘である茂義有梨沙(上原多香子)と、和正に代わり新東和の社長を務める結城鉄治を利用し、敬雄から億単位の身代金を要求・成功したのを手始めに、広域暴力団・宝竜会からも金を搾取する。しかし、その過程で、有梨沙は哲也に不思議な感情を懐いていく。
一方、和正の近辺をうろつく男がいた。情報屋の甘木公次(石橋凌)である。哲也は当初甘木の存在をいぶかるが、打倒茂義と言う共通点を見出し、二人の間には奇妙な友情が芽生え始める。
が、ついに、和正は殺されてしまう。和正の殺害・さかのぼって和正を自殺に見せかけ殺せと指示した、と敬雄から聞き出すことが出来たユリだが、敬雄はユリをも殺そうとする。間一髪で哲也に命を救われ、甘木の手配により、暫くユリは「地下」で広木典明らに守られることとなる。
和正の死を知った新東和の社員一同は、悲しみと無念さを心に持つ。カード推進第3課の課長・長嶋保、社員の愛染洋子らは悲嘆にくれるが、それらの動きをスパイする男がいた。石原である。
甘木は新東和の秘書である古池真弓(本上まなみ)をスパイとして新東和の内部情報を入手、一気に茂義を倒そうと企むが、それは新東和の破滅も意味する。甘木は哲也と交換条件をし、真弓から入手した裏情報の素っ破抜きを1日遅らせ、新東和の壊滅という最悪の事態を切り抜けさせる。
その後の役員会で発言権を得た哲也は、和正を殺したのは敬雄だと告発。地下に潜んでいたユリも現れ、敬雄は一気に追い詰められることに。
そして、哲也は敬雄と銃撃戦に。敬雄は撃たれ、入院。半ば隠居生活をしていた敬雄の父・茂義賀津夫(いかりや長介)は、哲也・甘木の抹殺を指示する。加え、警察とマスコミを使い、邪魔な存在となった新東和の営業停止を図る。
不意打ちを喰らい賀津夫に拉致された甘木は、警察に拘束されている真弓の釈放・茂義コーポレーション会長の後継・そして哲也の殺害を条件に解放される。甘木の営むバーに向かった哲也、銃で哲也を狙う甘木。甘木の靴底に盗聴器を仕掛け、2人の様子を盗聴していた賀津夫、そして長嶋らがとった行動とは。
大藪春彦のハードボイルド小説をドラマ化。
ストーリーが単純な復讐ものになっていたり、松田優作の映画版のようなピカレスク・ハードボイルドアクションものを期待した人には賛否両論だったけど、格闘アクションに定評のある佐々木修平がアクション指導した格闘アクションやガンアクション、松田優作の映画版や「男たちの挽歌」オマージュのハードボイルドな世界観の作りが評価高かったが、何故かいまだにビデオ化もDVD化もされていない隠れたハードボイルドアクションドラマ。肉体改造して頑張った香取慎吾、ハードボイルドな石橋凌、悪役が似合ういかりや長介の熱演が、印象的。
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