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ザ・クラウン シーズン3のmendeのレビュー・感想・評価

ザ・クラウン シーズン3(2018年製作のドラマ)
4.1
いよいよオリヴィア・コールマンが登場し、エリザベス女王の壮年期へ。ほとんどのキャストが交替する。
(でもオリヴィア・コールマンとヴァネッサ・カービーってよく似ていて、マーガレットがヘレナ・ボナム・カーターになったことで、姉妹の身長も逆転してしまった。そんなことが些細なことと思えるくらい、このシーズンのキャストもよく物語にフィットしてはいるが)

チャーチルに対しておどおどしていた若い女王が十分貫禄がついて、首相のほうが緊張するようになってきた。最初は警戒してた労働党のウィルソンとは結局実直な人柄がわかって気が合っていた。

このドラマを見ていても思うが階級社会が根強いからだろうか、イギリスでは労働者(ワーキングクラス)を軽視しているような気がする。学歴も財産もない人々のことをケアしようという考えが薄い。製作者がそういうふうに描いているのかもしれないが、そのムードがサッチャーの新自由主義を招いたのではないか。なんて考えてしまった。

ウェールズの炭鉱町でのボタ山崩壊、ウェールズでウェールズ語を学ぶチャールズ、フィリップの中年の危機、マーガレットの離婚などよくできたエピソードが多かった。マーガレットは夫の相次ぐ浮気に傷つき、対抗するように若い男と浮気すると新聞に色情狂みたいなことを言われるのがきつい。男の王族ならあそこまで言われないし、見て見ぬふりをされた男の王族もいただろうに。
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