うさこ

ザ・クラウン シーズン4のうさこのレビュー・感想・評価

ザ・クラウン シーズン4(2019年製作のドラマ)
4.3
シーズン4に入って、子どもの頃から記憶のあるサッチャー首相やダイアナ妃など、英国を代表する女性たちが登場。声やアクセント、顔の傾け方や姿勢まで似せていて、時々本物に見えてしまうほど。サッチャー首相については、「やりすぎでは…」とあきれるほどの寄せぶりであったが、彼女の信念の高さと強さが表現されていた。

ダイアナ妃がらみのストーリー以外にも、マウントバッテン卿の暗殺につながったアイルランド紛争や、フォークランド紛争、王室侵入事件、アパルトヘイト、また王室がひた隠しにしていた障害のある親類たちについても言及されていて、とても興味深い。特に、侵入のエピソードではブリットポップをバックに庶民の生活が多く描かれ、それが王室の生活とどれほどかけ離れているか対比させていた。君主制とは(日本もそうであるが)もともとが矛盾をはらんだ危ういものなのだということを改めて感じることになった。

ダイアナ妃は一定以上の世代にとっては、今でも特別な存在である。多くの人が幸せが少なかった結婚生活とその結末について知っている中、「そうだったのか!」と思わせられるエピソードがたくさんあった。どこまでが真実でどこまでが演出なのかわからないけれど、ウィリアム王子が不快感を表明するのもわかるほど、痛ましいものだった。

王室がダイアナ妃を救うどころか、結果的には死ぬまで追いつめてしまったことを思うと、ハリー王子がメーガン・マークルを連れて王室を出てしまったのも少し理解できる気がした。

王室のセットや衣装、アクセントとか細かいところの演出も凝っていて、単なる再現ドラマではないところが素晴らしいと思う。
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