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ザ・クラウン シーズン4のmendeのレビュー・感想・評価

ザ・クラウン シーズン4(2019年製作のドラマ)
4.3
恐ろしいほど密度が濃い。どのエピソードも高水準。
チャールズとダイアナの結婚、サッチャーが主なトピックだが、ほかにもマーガレットの入院からの秘密裏に精神病院に入れられていたいとこたちの発見(これも王室の闇)、無職の男の女王の寝室への侵入なども印象的だった。

中でもすごかったのが第二話。ダイアナがロイヤルメンバーとバルモラル城で顔合わせをする。ここで王族たちは彼女の立ち居振る舞いなどをテストする。ちなみにサッチャーはこのバルモラルテストに「落第」している。ダイアナはロイヤルメンバー達を魅了し、バルモラルテストに高得点で合格。つまりチャールズとの結婚を認められたということだ。それを知って満面の笑みを浮かべるダイアナのアップで終わるが、そこに流れるのはヴェルディの「椿姫」。美貌のヒロインが富裕層の青年との結婚を家族に反対されて身を引き、死を迎える物語。ヴェルディの椿姫の原題はラ・トラヴィアータ。道を踏み外した女という意味だという。このエピソード内でチャールズとダイアナがヴェルディについて会話するという伏線も張ってあり、恐ろしい切れ味のエンディングだった。

オリヴィア・コールマンとヘレナ・ボナム・カーターだけでなく、ダイアナ役のエマ・コリン、サッチャー役のジリアン・アンダーソン、チャールズ役のジョシュ・オコナーも素晴らしかった。
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