shun

この世の果てのshunのレビュー・感想・評価

この世の果て(1994年製作のドラマ)
4.0
勧められて、観てみました

鈴木保奈美は「東京ラブストーリー」のときと違いすぎて驚いたけどいい演技してました。

「この世には金のあるやつと無いやつ、罪とその報いがあるだけ」

自分の生まれた環境というのはどうやっても変えることが出来ない。この世界で生きるすべての人がそうであるようにこのドラマでも登場人物一人一人が出自や過去の栄光や闇などを背負っている。

まりあと士郎の関係が良かったのは最初だけで、話が進むにつれて士郎を嫌いになっていくのだけれどどんな関係もこうなんじゃないかなと思った。
付き合う、恋する、愛する、言い方はいくらでもあるだろうけど二人の人間、必ず自分と合わない部分はいずれ出てくる。
もちろん生まれやお金のことによる衝突はいくらでもあると思うけどそれだけじゃないと思う。士郎は自分の不幸を嘆くだけで何も努力しないしまりあのことを信じようともせずに気持ちが揺れちゃうんだからそりゃ愛する資格なんてないんじゃない?と思っちゃう。
結局いつも逃げてばかりだったなあ
まりあもまりあで「否定も肯定もしない」態度がなあ。どんな関係においてもコミュニケーションは重要。

その点ななは、8話で「お姉ちゃんの気持ちになって考えてみたの」と言っていたけれど、自分がどれだけ“不幸”だとしてもまわりの人を思いやることを忘れない姿勢が素晴らしい

後半の方になると士郎とまりあがただただ全てを自分の環境と運の悪さのせいにしているように感じられて逆にまわりのキャラの好感度が上がりました

これも8話ですがルミの過去が明かされる。それまでもルミは人間らしくて悪役として完璧だなあと思っていたのですがこの話でさらに好きになった。


「男と女が生きていくには相手より優位な何がが必要」とありましたが優劣をつけている時点でそれは愛ではないような気が。愛や結婚観について色々考えさせられました。そもそも完璧な関係は存在しない、世の中のカップルや夫婦だってみーんな我慢と偽善の上に成り立ってるのかな

「頭痛がひどくなるの。愛とか恋とか永遠とか、そんな言葉口にするやつ見ると頭がガンガン痛むのよ。そんなものはこの世にはありゃしないのに。だから引き剥がしてやるの、二度と口にできないように、絶望させちゃったりするの」(7話より)

あとあの探偵と殺し屋がいい味出してたな

真実の愛とはなんだろなと考えさせられます
いっつも最後に「OH MY LITTLE GIRL」の流れるタイミングが完璧ねしたね
水商売、タバコに覚醒剤など今の地上波じゃ流せないのかな。こういう作品を普通にテレビで観られてた時代が羨ましい
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