Relishi

今夜、宇宙の片隅でのRelishiのレビュー・感想・評価

今夜、宇宙の片隅で(1998年製作のドラマ)
3.9
ニューヨークを舞台にした、ムーディーで小洒落た気配漂わせつつも、人間臭い恋愛模様を終始一貫して描き続ける、ラブコメディー。

映画のような恋愛模様を匂わせる街並み、シチュエーションだが、そんな背景とは裏腹に土着的で狭い範囲での人間模様が描かれる。
誰もが大きな夢や憧れを持ち、訪れるニューヨーク。その大きな世界とそれぞれの登場人物のささやかで小さな生き様。
その差が良いし、小さな舞台で繰り広げられる小さな諍い、小さな劣等感、優越感、恋の駆け引き、それらがなんだか愛おしい。

8話以降から小菅(西村雅彦)に泣かされる場面が増えていく。
運のなさ、直向きさ、モテなさ、無垢さ、そういう生来陽の目を浴びてこなかった小菅がラストでは報われる。
それが映画的で、そんな映画みたいな結末が現実に用意されている、という夢を見させてくれる作品だった。
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