YasujiOshiba

ストレンジャー・シングス 未知の世界 シーズン2のYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

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備忘のために:

◯ そうかシーズン1は1983年で、シーズン2は1984年なのね。ぼくが大学生のころの時代設定なんだな。場所はインディアナ州のホーキンスという田舎町。アメリカには行ったことないけれど、すごく親しみがある設定。スピルバーグ、リンチ、カーペンターズも、キングも、みんなみんな、こういう田舎の雰囲気をみごとに描き出してたし、彼らの映画を見まくっていたら、いつのまにか、そういう場面の風景が本当に懐かしく思えてきちゃうというのがあるよね。

◯ このシーズンは、大筋でウィルくんの救出劇ということだけど、イレブンとマイクの再開劇でもある。そのイレブンを演じたミリー・ボビー・ブラウンは2004年生まれだから、最初のシーズンでは12歳ぐらいなのか。さすがにこのシーズン2では、少しだけ少女らしくなってきたけど、相変わらずの存在感。

 ニューフェイスが赤毛のマッドマックス役の Sadie Sink と、そのイケメンの義理の兄さんがいい味だしている。カリフォルニアからホーキンスの街にやってきた都会っ子という設定なんだね。

 シーズン2はそれぞれのキャラクターが成長してゆくのだけど、ちょうどホーキンスの街の地下に張り巡らされた洞窟のように、ぼくらもまた、この街の住人たちの関係に少しずつ詳しくなってゆきながら、子どもたちを見守ることになる。

◯ 最後の、もうこれしかないだろうというアメリカ的なダンスパーティ「スノー・ボール Snow Ball 」のシーンには、なんだかホカホカしちゃう。いかにもアメリカ的なノスタルジーに溢れている。

 ちなみに "Ball" は「ダンスパーティ」のことだけど、さかのぼればギリシャ語の bállō (投げる、跳ねる)にいたる。これがラテン語に入って ballare (踊る)となり、フランス語の bal (踊り)を経由して英語に入ったということ。でも、投げるボール ball とは語源的にはつながりがない。こっちは古ノルド語の bǫllr から来た言葉。こっちの ball が snow (雪)とくっついて snow ball となると「雪だるま」のこと。ようするに、「雪だるま」と「雪のダンス」の掛詞なんだわね。

 ところで中学や高校のダンスパーティって、アメリカ映画ではおなじみ。最初に見たのは『アメリカングラフィティー』(1973)のダンスシーンだけど、あれはインフォーマルなダンスパーティで「ソック・ホップ」(Sock hop)とか呼ばれてるらしい。すごく印象的だったのは、もちろん『キャリー』(1976)。あのフォーマルな高校のダンスパーティは「プロム」と呼ばれるもので、「プロムナード(promenade):舞踏会」の略。このプロムをテーマにしたホラーが『プロムナイト』(1980)だから、ある意味、1980年代的なものでもあるわね。

 そんな「スノーボール」に、マイクがイレブンを誘う約束をしたのがシーズン1だったよね。いやあ、あの約束からまるまる2シーズンかけて、ここまでやってきたというわけか。

◯ あの不思議な世界は "the Upside Down" と呼ばれてるらしい。「逆さまの国」であり、パラレルワールドなんだけど、その正体はよくわからんまま。

 ところで「Upside Down」と言われると、ぼくは「トプシー・ターヴィ(topsy-turvy)」って言葉を思い出す。たしかディズニーの『ノートルダムの鐘』(1996)のなかで歌われた曲だけど、いわゆる「愚者の祭り」を歌う曲。愚者が王になる祭りのように、間違った存在が、ひっくり返って表に出てきて大混乱という意味。

 こうやって裏側の世界から次々とやってくる「ストレンジャー・シングス」が、頭がガバっと裂けて口になる怪物や、あの巨大な蜘蛛のような、ツタの化け物のような巨大なヤツは、さてはて、次のシーズンでまた出てくるのかね。

◯ シーズン3は7月4日の配信(公開)予定。アメリカの独立記念日だけど、たぶん、その日から始まるんだろうなという予感。