くしゃみ

ストレンジャー・シングス 未知の世界 シーズン3のくしゃみのレビュー・感想・評価

4.7
この物語の登場人物たちは、一つ一つの“寂しさ”や“不満”に対して逐一ちゃんと立ち止まる。友達が恋人を優先し始めたこと、娘が大人になっていくこと。私が生きている現実世界では、これらにいちいち反応すらしない人も沢山いるように思う。成長につれた変化などというものは、自然と通りすぎてしまうことに過ぎないと感じさせられる。だからいちいち寂しいやムカつくなどと反応すること自体が至極無意味なことのように思え、自分だけが取り乱している虚しさに耐えきれず正直な感情を押し込めて平静を装ってきた。そんな風に過ごしてきたから、ウィルがマイクやルーカスへ不満をぶつけた姿がとても新鮮に映った。私なら年相応の変化だと彼らとの友情を諦めてしまっていただろう。でも焦点はそこじゃない。彼らが恋人を優先したこと、ウィルはあまり恋愛に関心がないこと、このズレがガンなのではない。彼らが露骨に友情を、ウィルやダスティンを蔑ろにしていた無礼さこそが本当のガンなのだと私は思う。ウィルが怒るのは当然であり、怒らないことは溝を深める以外の何物でもないのではないかとも思う。もちろん程よい距離感を見極め、時に冷静に付き合っていくことも人間関係には打ってつけだ。でも、それが分かっていても私はウィルやホッパーの正直な感情の吐露こそが正解のように思えてしまう。不器用な選択こそが最も真実に近いのかもしれない。これからは少しは素直に生きてみようと、この物語を通して考えるようになった。