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ビーチボーイズのsanukiaquaのレビュー・感想・評価

ビーチボーイズ(1997年製作のドラマ)
4.5
都会で迷い子になった大人が
田舎でリフレッシュして
新しい人生に目覚める、なんて
外国映画で近年よくあるものを
23年前の全盛期の月9で実現したのだから
これはもはや伝説。

医療、刑事、法廷、学園、企業など
現在のドラマが明確にカテゴライズされて
飽和状態だったりすると
取り立てて事件も起きない、
恋愛もない、敵はいない
特別な人間もでてこない、
カテゴライズさえされない
よく企画通ったなとさえ思える
このドラマの不思議な個性と魅力が
引き立たされる。

若き日の反町隆史、竹野内豊、
広末涼子、稲森いずみ、
そしてマイク眞木のキャスティング、
絡みの絶妙さ、そして何より
この時にしか出来なかった感が
年月を重ねるたびに増していく。

民宿ダイヤモンドヘッドに集まる人々は
いずれもかさぶたがはがれないまま。
心にトゲが刺さったまま。
それをゆっくりゆっくりと
互いに反響しながら向き合い
乗り越えていく様子が心地よい。
帰るためにくる、
来た時よりいい顔になって帰っていく。
演技なのか、それ以上なのか
出演者たちがそれぞれ
顔つきが変わっていくのが爽快。
海の波音、ギターの調べが
全てを受け入れて包みこむようだ。

広海と海都が主役で
反町隆史と竹野内豊がいるだけで
画としてもつのがすごいところで
彼らがタイトルのビーチボーイズ
ではあるのだろうけれど
マイク眞木扮する勝を加えてこその
ビーチボーイズだろうね。
それくらい勝の存在意義は大きい。
特に終盤に向けて。
年齢を重ねるたびに勝や
田中好子さん演じる母の言葉が
胸にしみていく。

夏になると見たくなるよ。
そして見終えてつぶやくのさ
お前らのおかげでいい夏になった、と。