ABBAッキオ

総理と呼ばないでのABBAッキオのレビュー・感想・評価

総理と呼ばないで(1997年製作のドラマ)
3.2
 1997年フジテレビ11話。三谷幸喜脚本による政治パロディドラマ。古畑任三郎の第2シリーズと第3シリーズの間に放映された作品で、田村、西村のコンビが軸で、鈴木保奈美が妻役で出る他、最終回には唐沢寿明も。
 80年代のイギリスで「イエス、ミニスター」と続編「イエス、プライム・ミニスター」という人気シリーズがあり、三谷がそれに刺激されて本作を作ったのだろう。古畑のように田村とゲストの1対1の対決、会話劇でなく群像劇であり、力のある俳優陣の演技レベルは高いものの政治パロディとしては今ひとつの印象。田村はさすがに上手いが、ダメ総理がゴルフスコアをずるするセコく小さい人間から最後はある種の使命感をもつに至る変化をちょっと表現し切れていないように思った。むしろ首席補佐官役の西村が本作ではかなりの存在感があり、古畑で道化役を演じているののお詫びのような気がするくらい。
 そうはいうものの日本で珍しい政治を正面から取り上げたドラマとして、また俳優田村をたっぷり見られる作品として価値はある。
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