Kamiyo

ふぞろいの林檎たちのKamiyoのレビュー・感想・評価

ふぞろいの林檎たち(1983年製作のドラマ)
4.5
1983年「ふぞろいの林檎たち」Ⅰ ドラマ10話

40年ぶり再鑑賞  懐かしいね。。。
中心人物はもちろん、その周りの人々の人間模様もつぶさに
描かれていて秀逸・・・
山田太一原作・脚本… あの独特のセリフまわしもクセになる。

仲手川 良雄(中井貴一)岩田 健一(時任三郎)西寺 実(柳沢慎吾)の3人が、水野 陽子(手塚理美)宮本 晴江(石原真理子)谷本( 綾子)中島唱子との男女の関係を紡いでいく
三流大学生だからもてない男たちの悲哀が描かれている、
日々の葛藤や、恋愛、そして友情が、ゆったりとしたサザンの曲とともにドラマを盛り上げる…
いかにも青春群像という感じで、なんか時代を感じるし憧れる。
常に誰かの家に人が集まってわちゃわちゃやっていたりして
あんまり現実感はない。
昔はああだったのだろうか?まあ、ケータイも持っていないし。
嫉妬、羨望、ねたみ・・・ありとあらゆる人間の感情がこれでもかと
表現されているんだよね。
共感する部分もあり、賛同はできないけど・・・なところもありで。
とにかく音楽とともにドラマの世界に引き込まれたー!

ラスト、仲屋酒店にてパーティー中に 
家を出て行った(仲手川の兄)耕一(小林薫)の妻幸子 (根岸季衣)が
耕一が見つけて帰ってくる
文句を言う姑( 佐々木すみ江)。
幸子に言う『別れる決心したから出て行ったでしょうだったら
その決心通してください』
『耕一はいい年してどうして そんなつまらない意地はっているんだい』
『世間には女なんていくらでもいるじゃないか』
『どうしても幸子さんじゃないと、いけないなんて
今の若いもんでもそんなこと言わないよ』とお母さんは言う。
その場に居た全員に刺さる言葉だ。

そこで耕一が堂々と幸子への思いを言う。
耕一『俺は幸子じゃなきゃ嫌なんだ。』
『お母ちゃんどう思うか知らないけど』
『こいつが、いいんだから、しょうがないね』
グサりと刺さる言葉だ。世間体、周りの目をなんて知らない。
ただ自分の妻を愛するという堂々とした態度に感動してしまう 

聞いているみんなの気持ちを代弁してくれたのが
本田( 国広富之)の彼女 夏恵(高橋ひとみ)だ。
夏恵「そういう・・・そういう恋愛したい。」

最後は就職活動を始める場面で終わる。岩田、西寺、中手川、
実が胸をはって生きてく姿がかっこよかった。

一般のどこにでもいそうな普通の若者の生き方がよく描かれていると思いました。
恋愛、仕事、友人関係、家族についてなどいろいろな事が複雑に絡んでいて、とても現実味があって共感出来る部分がたくさんありました。
ただきれい事だけでなく、人間の弱い部分やダメな部分がきちんと描かれていて人間を描いたドラマの名作中の名作だと思います。
一人一人のキャラが強烈で、みんな悩みながら上手くいかない事がたくさんあっても、それでも頑張って生きているんだと勇気づけられました。
高橋ひとみさんが独特の雰囲気、綺麗で すごくいいね!。

最近のドラマにはないようなゆるくそして心地の良いドラマだったなぁ
まあ当時このドラマを見なかった人はいなんじゃない?くらいの
社会ブームを巻き起こした超有名作!

主題歌は誰でも知ってるでしょ?そう、サザンオールスターズの
「いとしのエリー」このドラマほどオーバーラップするのは
他にないのでは?
サザンの曲が、場面ごとに流れるなど
たまらなく懐かしいものがあります
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