ちちうえ

ふぞろいの林檎たちのちちうえのレビュー・感想・評価

ふぞろいの林檎たち(1983年製作のドラマ)
4.0
昔、テレビのクイズ番組を見る時は、自分でも問題を解いて回答が当たると喜んだりしていたが、つい先日「東大王」という番組を見ていて全く回答が判らず、この番組の「何が楽しいのか?」と思ったが、こんなタイトルの番組が成立するぐらい日本人にとって卒業大学は重要な問題なのだろう。


話の中心は3流大学(いまでいうFラン)に通う3人の男子学生(中井貴一、時任三郎、柳沢慎吾)と美人の看護学生(石原真理子、手塚理美)、一流大学だが太目の女子大生(中島唱子)の6人だが、この他に東大卒のエリート(国広富之)とその恋人(高橋ひとみ)のカップル、そして中井貴一の兄(小林薫)と病弱な妻(根岸季衣)らの群像劇になっている。

小学生のお受験はまだなかったが、大学生の“受験戦争“という言葉があり、浪人生のためのマンモス予備校があった時代。3流大学生の彼らが、就職活動や恋愛に悩み、乗り越えていく姿に共感する若者が多く、人気のサザンオールスターズの曲が多く使われていることもあって話題になった。


自分も、いわゆる3流私立大学を卒業しているので、社会に出てから学歴差別は嫌というほど経験してきたし、いわゆる上司や経営者の立場になれば学歴抜きで実力主義で仕事を評価するのが難しいのも理解できるようになった。


脚本家の山田太一にとってはキャリアのピークの時期の作品だが、質的には「早春スケッチブック」や「想い出づくり」の方が傑作だと思うが、個人的には印象に残る作品のひとつだった。


忘れられないシーンがある。
最終回、中井貴一の実家の酒屋に集まる面々。
柳沢慎吾は普段、邪険にしていて散々おごらせていた中島唱子を探しに行く。
このキャスティングでは、柳沢慎吾と中島唱子が最終的にカップルになるのは、誰もが予測し何よりも確実な結論なのだが・・・。

柳沢慎吾がタコ焼き屋でバイトをしている中島唱子を見つけた時の中島唱子の照れくさそうな表情と、優しい表情の柳沢慎吾の演技に感動してしまった。
今やバラエティで大活躍の柳沢慎吾だが、彼のシリアスな演技もよかった。


パート2も社会人になった彼らの悩みを的確に描いて傑作だった。


そして奇々怪々のパート3。
山田太一は演出を批判しているが、3流大学卒でも金持ちになれたバブル期にで山田太一の脚本も陳腐だった

パート4は見ていない