MIDORI

ER緊急救命室Ⅴ <フィフス・シーズン>のMIDORIのレビュー・感想・評価

3.5
恐らく海外ドラマ出身俳優で最も大出世した俳優No.1であろうジョージ・クルーニーがこのシーズンで降板。ドラマだけで発揮し続けるには勿体ないほどの演技力だったので、映画界に進出するのに降板したのも納得。

前回シーズンあたりからジョージ・クルーニー降板の伏線で、ダグの荒治療エピソードが増えていたので、今シーズンも度重なる荒治療を繰り返した末にこんな形でいなくなるの?という流れで降板。ダグと別れたからなのか理由は謎のままですが、シーズン1初回のキャロルの自殺未遂から始まり、シーズン3でキャロルの医学部受験を手伝うところから再び距離が縮まったダグとキャロル。お互いに支え合いながら、共に成長してきた二人が大好きで、医療の倫理的にどうなの?ってこともたくさんあった二人ですが、どんなときでもいつも一緒のダグ×キャロルの覚悟が凄くて、この二人の絆の強さを感じました。

主人公マークはというと、ダグの尻拭いばっかりで。庇いきれないと何度もダグを叱っていましたが、結局ダグはダグのままで。レイチェルも引っ越してしまうし、新ER部長のアマンダ・リーもヤバイ人だったし、なんでマークってこんなについてないんだろう…(笑)でも後半のほうでひょんなことからコーデイと急接近して、コーデイどんだけモテるの。

カーターは前回シーズンでミリセントから支援を打ち切られたため、初の貧乏生活。学生寮にアドバイザーとして住み込みで滞在するものの、とある事件が起きたことで寮を追い出され、その後はウィーバーの空き部屋を借りることに。仕事では研修で来た学生のルーシー・ナイトの指導官に。このルーシーが手強くて、出来ないことは出来ないと言えばいいのに、出来るフリをしてカーターに期待させるせいで、最後カーターがブチギレ事件多発。これ、わりと社会人として過ごしているとあるあるな気がする。みんな新人に対しては別に期待していないから、出来ないから教えてほしいって言われたら教えるし、教えたことで次から出来るようになってくれたらありがたいのに、こういうルーシーみたいな出来ないことを出来るって言って迷惑かけるタイプが一番面倒なんだよなぁとERを見ながら思ってました(笑)

オリジナルキャスト以外で一番好きなケリー・ウィーバー!病院の中では厳しくて、面倒な人みたいな扱いを受けているウィーバーですが、この病院の中で唯一まともな人だと思います。他の人たちのように、ただ偉くなりたいという思考ではなく、本当に病院を良くしたいと思っている人で、仲が悪い人でも困っていたら手を差し伸べるし、素晴らしい人格の持ち主。ウィーバーは足が悪いので、ベントン先生の難聴の息子リースに対しても、同じように体が不自由ということもあって支援しています。ただ、息子の障害を受け入れられなかった頃のベントン先生に「息子の欠陥をどうにかしたい」と言われて、傷付いていたウィーバーが印象的。ウィーバーにとって不自由な足は“欠陥”ではなく、その足も含めてウィーバーで、“個性”を“欠陥”と言われたことにショックを受けているウィーバーの姿が忘れられないです。こういうウィーバーのようなキャラクターがいるから、ERは面白いドラマなんだなと思います。

そして、外科チーム!もうロマノが嫌いすぎる。カッコよくないし、ただのセクハラ男だし、全部無理。全然関係ないマギーにもセクハラして訴えられてるし、何この人。今のところロマノに一つも魅力を感じません。反対に、シーズンを重ねるごとに魅力的になるベントン先生が好きです。寡黙なベントン先生が、教え子カーターだったり、過去に付き合ってきたジェニーやカーラ、コーデイ、そして生まれてきた息子のリースとの関わりを通じて、人間らしくなってきたのが良い。(ERのオープニングで有名な手術後にガッツポーズをするベントン先生のあの姿、シーズン1の1話以外で見かけないので、レアすぎて、もはや違和感しかないです。ベントン先生は胸の内を明かさない男。)16話でベントン先生が出稼ぎに行く回は、ベントン先生ファン必見!

ゲストは、「プリズンブレイク」のヘイワイヤー役で有名なサイラス・ウィアー・ミッチェルが、接着剤をかぶってくっついてしまった兄弟の役で登場。
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