すごく良かったですね。前シリーズよりも切れ味が増した健全なシニシズムと軽快な会話劇で笑いを生みつつ、さまざまな社会問題に対する秀逸な批評眼も随所で見られる。『Empire』への皮肉や第8章における長回しといったチャレンジングな姿勢も素晴らしい。
なかでもグッときたのは第4章。“黒人の女性”として生きることのプレッシャーによって、未来や別の選択肢を想像することができなくなるという複雑な問題を鮮やかに描いている。このプレッシャーは人種やジェンダーのみならず、貧困などにも当てはまるものだと思う。そうした意味で幅広い訴求力がある。1クール使ってもなかなか伝えられないメッセージを約30分で伝えてしまう秀逸なスキルと濃密さは文字通り必見。