"死なない理由"
待ちに待ったS2。2日でなんとか見切った。他の作品よりも見進めるペースがどうしても落ちる。見たいけど怖い…。S1同様 見続けたってその先に見えてくるものは…。そんな事はわかってた。現実世界がそうだから。そのリアルさは相変わらず凄まじいと思う。S2製作が決まり、今作にS2を作る余地が残っているのか疑問に思っていた。それ程までにS1は優れていたと思う。その点で言えばS2における後付け感や後出し感は否めない。それでもこのドラマは凄い。クレイが知っているハンナが彼の中で崩れていく様、S2におけるハンナの役割、ハンナを苦しめた彼ら全員、両親、スクールカウンセラーの苦悩、完璧な人間なんていないって事。その一点向き合わず逃げ続ける奴らの描き方、現実の残酷さ。ここまで描けるドラマは中々ない。臭い物には蓋をする世界に対してまずこの内容の作品を製作すること、その意義が明確で、尚且つ評価され、批判された部分(自殺助長etc…)に配慮をしながら、手は抜かれていない。S1に劣る、つまらなくなったと批判する前にまずこの部分を評価しないとダメだと思う。本当に凄いと思う。娯楽作品の枠を超えるという事、社会的メッセージを含むという事が日本では中々キツイ面がある。批判されるから。それがどれだけ恐ろしい事か…。
ラストにクレイにハンナの母から渡されたあるリスト。あれがしっかり描かれているだけで私は十分です。見えない闇の中でも光はある。そんなに甘くない現実が私達にはあるけど、光を信じなきゃ生きていけない…。彼女だって…。あのシーンに後付け感なんて微塵もなかった。
この世界から闇は消えなくて、平穏が訪れたようで、実際は他の闇が生まれる。次シーズンも相当凄いことになるだろう。アメリカ社会が長年抱え続けるあの問題…。つい先日も起こったばかりだ。その度に上がる声に対しアメリカ政府は行動を起こさない。簡単に起こせない理由がある…。そこをどうしていくか。このドラマもそこに食い込むのだろう。
このドラマは逸らしちゃいけない現実を私達に直視させる。
