Larx0517

パラノイド シーズン1のLarx0517のレビュー・感想・評価

パラノイド シーズン1(2016年製作のドラマ)
3.3
「変な人ばかり」

登場するすべての人物、捜査する者も、問題を抱えている

その筆頭とも言うべき、今作のドラマ主人公ニナ・スレッシュ刑事。
インディラ・ヴァルマが演じる。
『ゲーム・オブ・スローンズ 』のエラリア・サンド役のように、エキセントリックな役が多い彼女が「本領」を発揮している。
ビッチというよりは、デスパレート(自暴自棄)な刑事。

「メチャクチャよね 分かってる」

イギリスドラマ好きで(毒されているとも言う)、ビッチ好きな自分は笑わせてもらえるが、生理的に合わない人にはとことん合わないと容易に想像できる。

事件の進行と共に、作り込まれた登場人物の背景が描かれ、、ディープな人間ドラマが絡まり、うねり、「横糸」を張る。

殺人事件に加え、さらに謎のゴースト刑事、ドイツと、「メインライン」以外もいくつものストーリーラインが、「縦糸」を張る。

ストーリーの縦糸、人間ドラマの横糸で織りなす事件という名のタペストリー。
これぞイギリスサスペンスドラマ。

すべての人物と書いたように、今作の人間ドラマの比重がかなり重い。
さらに皮肉なものだが、イギリス俳優陣の演技力が高すぎて、重厚を通り越して「重苦しい」ものにさせている。

さらにいくつものストーリーラインと、大風呂敷を広げすぎたきらいがある。
並行して描かれるものが多すぎ、盛り込みすぎで、散漫になり、焦点が定まらない。
それでもすべてがつながり集約され、伏線が回収され、ラストにつながるのは見事と言える。

イギリス国内の民放放映ITVから、Netflixの世界配信への変更時に、一般向けのマーケティングを考えた場合、全6話程度にシェイプアップさせたバージョンを作ってリリースしても良かったと思える。
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