TLs

バリー シーズン2のTLsのネタバレレビュー・内容・結末

バリー シーズン2(2019年製作のドラマ)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

待望の殺し屋俳優コメディシーズン2。殺し屋のアウトローの世界をコミカルに描き、俳優の世界をリアルに描くこのドラマ。ザラついてもなく、湿っぽくなく限りなくプレーンな犯罪コメディとして描かれた主人公バリーの世界はシーズン2も前途多難なものだった。

前シーズンに引き続き殺し屋バリーは俳優を志すが、そこに元相棒フュークス、チェチェンマフィアのボス、ノホ・ハンクが彼をアウトローの世界に引き戻そうとする。このあらすじをみるとよくある犯罪物のような気がするがこのドラマの特徴は第1話のようなタランティーノ風味のオフビートな犯罪劇である。このグダグタと進行する犯罪劇を視聴者に飽きさせずに見せることができているのがすごい。特に第5話はその極地であり接着剤でハンドルに手がくっついてしまう場面は非常にドタバタ感が出ていて良かった。しかし、コメディでありながらも銃の描写がリアルなのがドタバタ感を出しながらも安っぽさを感じさせないのでよかった。

俳優のパートではバリーが自身の戦地の体験をベースに演技を構築していくのだが、前シーズンと同じくバリーは結局自身の演技を体系化することが出来なかった。前シーズンでは「悲しみ」というネガティブな感情がベーズであったのに対し、今回は「怒り」という感情がベースてあった。この怒りは軍での経験やアウトローの世界が原因であり、このことからも彼が足を洗うことが到底不可能であることがわかる。またこのバリーの「怒り」が今シーズンのテーマとなっており、その爆発を最終話で見ることができるが「悲しみ」とは違い「怒り」は周囲を遠ざけてしまう。勿論彼が全て悪いというわけではないのだがサリーの元夫や戦地での民間人射殺などバリー自身にも原因が大いにあり、なぜバリーにはフュークスしかいなかったのかが少し理解できた。

一番良かったのはジーン・クズノーとフュークスである。フュークスはバリーに仕事仲間以上の感情を抱いており、バリーもフュークスで特別な感情を抱いている。ジーンを生徒であるというのもあるが小屋の場面からわかる通り、バリーのことを個人的に気にかけておりバリー自身もジーンのことをとても慕っている。しかし、このことが原因でバリーと二人の関係が崩れさり、最終的にフュークスがジーンに銃を向ける。しかし、彼がジーンを殺さなかったのはフュークスがバリーのことを気にかけており、ジーンのおかげでバリーがようやく人生に意味を見出したことが嬉しかったからであろう。今シーズンでも様々な悪事を働いたフュークスであるが戦地から帰還したバリーを迎えた時、バリーの中での希望としてのフュークス像があの場面で少しだけ見れたのがよかった。

待望のシーズン2期待通りのものを見せてくれて大満足。特に第2話のラストのような哀愁漂う場面がとても良かった。あの場面の曲はapple musicで何回もリピートするほど気に入りました。